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  • 泡瀬干潟のアワセイソタナグモは水中で生息できる希少クモ
  • 巣に膜を張り空気をためることで、満潮時に水没しても大丈夫
  • 水中で生息する理由は謎で独自進化の可能性もある

 【沖縄】泡瀬干潟を守る連絡会(小橋川共男、漆谷克秀共同代表)は16日、満潮時に水中で生息でき、国内では泡瀬干潟でしか発見されていないアワセイソタナグモの観察会を開いた。2012年に日本蜘蛛学会の学会誌で生息を発表した同学会名誉会員で、理学博士の下謝名松榮さん(75)=浦添市=がガイドし、参加者に生態を説明した。

満潮時に水中で生息できるアワセイソタナグモ

観察会の参加者にアワセイソタナグモについて説明する日本蜘蛛学会名誉会員の下謝名松榮さん(左)=16日、沖縄市の泡瀬干潟

満潮時に水中で生息できるアワセイソタナグモ 観察会の参加者にアワセイソタナグモについて説明する日本蜘蛛学会名誉会員の下謝名松榮さん(左)=16日、沖縄市の泡瀬干潟

 アワセイソタナグモはイソタナグモ属の1種で、干潟にある岩のくぼみに粘膜を張り、巣にしている。

 満潮時に海水で覆われても粘膜が、水が中に入り込むのを防ぎ、空気も保持されるので生息が可能だ。干潮になると、粘膜に穴を開けて干潟でのエサ探しに出掛け、満潮前に巣へ戻り、粘膜を張り直すという。

 ほかのイソタナグモは海岸の陸域で生息しているが、アワセイソタナグモがなぜ水中で生息しているのかは不明。

 下謝名さんは独自の進化を遂げている可能性があるため、「DNA鑑定でほかのイソタナグモと比較する必要がある」と指摘する。

 一方で、「一日中探しても発見できないこともあり、個体数が少ない」と保護の必要性も強調。

 その上で「全ての生き物は互いに関わり合って生きているので特定の生物だけを保護すればいいというわけではない」と述べた。

 また、干潟全体の生き物の生息環境の保全を求める重要性を訴えた。