海上保安庁の佐藤雄二長官は20日の記者会見で、新基地建設をめぐる名護市辺野古沖の対応に「過剰警備」という批判があることについて「私が知る限りでは、現場の対応というのは非常に冷静にかつ丁寧にやっている。現地での報道ぶりが非常に事実関係より、誇張されている部分があると感じている」と述べた。

佐藤雄二長官

 佐藤長官は「海上保安庁では安全かつルールを順守した抗議活動自体は否定していない」と説明。その上で、臨時制限区域内に入った抗議船1隻に海上保安官が乗り移って転覆した4月28日の事案を挙げ「転覆原因は調査中だが、抗議船の船長が再三の指導警告を無視していたため、違法かつ危険な行為を解消するための対応をした際に船が転覆した」などと述べた。

 この事案については、抗議活動中に海上保安官の過剰警備にあったとして、抗議船の女性船長=本島北部在住=が第11管区海上保安本部の保安官12人を艦船転覆と同未遂の疑いで那覇地検に刑事告訴している。

■指摘当たらない

 沖縄タイムスの石川達也編集局次長の話 具体的にどの記事に「誇張」があるのか。海上保安庁から具体的な指摘や説明を受けたことがなく、「誇張」との指摘は当たらない。私たちは写真や動画で現場を確認し、事実を紙面に掲載している。本来、海上の安全を守るべき海上保安庁が市民の船を転覆させる行為の方が行き過ぎていると考える。

■知る権利へ挑戦

 琉球新報の潮平芳和編集局長の話 現場では市民が乗る船上で海上保安官が女性に馬乗りになったり、警備艇が市民の船に追突したりするなど明らかに過剰な警備がある。本紙は事実に基づく報道に徹している。読者の知る権利に応える報道に対する露骨な挑戦ではないか。