9月8〜10日、ブータン王国の首都ティンプー北部にあるデチェンチョリン小中高校で学校主催のスクールコンサートが開かれ、クラス7(中学1年、13歳相当)B組の男子生徒9人が沖縄の伝統舞踊「鳩間節」を披露した。指導し、共に踊った国際協力機構(JICA)青年海外協力隊の比嘉航也さん(23)は「生徒たちが踊りに興味を持ち、自発的に練習に取り組んでくれたことがとてもうれしかった」と喜んでいる。

カーテンで作ったウッチャキを着てスクールコンサートで子どもたちと一緒に鳩間節を踊る比嘉航也さん(左)=ブータン

 同コンサートは伝統文化の継承や作品制作活動を通した児童生徒の健全育成などを目的に開催され、幼稚園から高校3年までの全13学年、生徒約1800人の中から有志が出演した。

 体育教員として派遣されている比嘉さんは読谷村楚辺区出身。楚辺では、舞踊研究所の手数(てぃかじ)とは違う独特の踊りが数多く受け継がれており、踊りを指導していた父の影響で4歳から琉球舞踊を始めた。

 今回、同僚の先生から「何か日本のプログラムを一つよろしく」と依頼され、「せっかくの機会、沖縄のことを知ってもらいたい」と鳩間節に決めた。 

 生徒たちは初めて聞く沖縄の伝統的な音楽、独特な足の運びに苦労しながらも「この場面はどう手を動かすの? ここで足を打つ?」「ブータンのダンスと少し動きが似ているね」などと興味を持ち、練習に打ち込んだ。リクディン・ドルジさん(13)は「とってもいいダンスだけど、音楽のリズムに乗るのが難しかった。踊れて幸せだった」と感想を話した。

 ほかの先生からは「とても良かった。少ない期間でたくさんのことを学んだ」、鑑賞した現地の人からも「初めて見るダンス。新鮮で面白かった。子どもたちも楽しそうに踊っていてとても良かった」と称賛の声が上がった。

 また、衣装として使用した「ウッチャキ」は生徒と協力してカーテンを切り貼りし、制作した。比嘉さんは「普段の生活の中では、なかなかできない経験だと思う。子どもたちの人生の中で一生の思い出として残ってくれれば、それ以上のことはない」と感慨深げに語った。