【連載「働く」を考える】第4部・インタビュー 沖縄県商工労働部長・屋比久盛敏さん

 連載「『働く』を考える」はこれまで県内の労働実態をルポやデータで追い、働きやすい環境づくりに取り組む企業を紹介してきました。第4部では、労働政策や労働問題に携わる関係者らが県内の実情をどう捉え、どう改善しようと考えているのか、インタビューします。初回は県の労働政策を担う県商工労働部長の屋比久盛敏さん。(聞き手=学芸部・高崎園子)

沖縄県商工労働部の屋比久盛敏部長。労働環境改善のための予算措置をしていく考えを示した=県庁

 −県の労働実態をどう捉えているか。最大の問題は何だと思うか。

 「県議会で質問が多いのは(派遣社員やパートタイマーなど期間を限定して雇用契約を結ぶ)非正規雇用者の問題だ」

 −県の非正規雇用率は44・5%で全国一高い。正規化の取り組みはしているか。

 「ある程度やっている。セミナーや専門家派遣、研修会など小さいが事業はいろいろある」

 −低賃金の問題はどうか。県内の給与水準は全国の8割に満たず、最低賃金も全国最低額がずっと続いている。

 「当然、賃金の問題もある。沖縄は県民1人当たりの賃金、県民所得が全国最下位で、われわれが取り組むべき問題だと思っている」

 −低賃金の原因は何か。

 「経済成長率の問題。経済成長はイノベーション(技術革新)と資本投入率によって決まるので、沖縄はそこが弱いからだと思っている」

 −那覇市の食料の消費者物価指数は東京都の区部より高く、県庁所在地で1番高い。なぜか。

 「食料自給率が低い。よそから持ってくると輸送コストがかかる。また観光地では物価はどうしても高くなる」

 −物価が高くて賃金が安ければ当然生活は苦しくなる。子どもの貧困率は約30%だ。

 「当然、それは改善すべきだが、県全体の話で、私一人が答える話ではない。賃金はかつて全国平均の7割だったが8割近くまで上がってきている。賃金対策として産業政策をやってきた。われわれは長期的な経済政策で成長率を上げる。それが賃金アップにつながるというのが商工労働部としての解決策だ」

 −これまでの県の経済政策は十分だったか。

 「県内は失業率が高く、これまでは雇用の拡大に力を入れてきた。それがある程度改善されてきた今、働き方改革、労働条件改善という次の段階にきていて、数年前から取り組みを始めている」

 −県としてこれから具体的にどんなことをしていくか。

 「長期的には経済成長率を上げていく。労働問題は、正規化をメインに取り組む。正規化ということは、賃金が上がるようにスキルアップをし、その賃金に見合う分の生産性を上げていくこと。そのための労働環境づくりをした事業所に一定の補助を行う取り組みを今後やっていこうと考えている」