日本記者クラブであった翁長雄志知事の東京での初会見は、新聞・テレビ37社、238人の記者が会場を埋めた

 ▼主催する同クラブによると、200人超えの会見はまれ。1月にあった仏経済学者のトマ・ピケティ氏以来で、「今年のベスト10入りは確実」という

 ▼県外世論への訴えである。肝心の受け止めが気になるところであった。大手メディア幹部は質疑で出た「沖縄独立論」を引き合いに「逆に日本こそ独立した国なのかと思った」、地方紙記者は「将来の子や孫のために頑張るとの思いが響いた」など。考えを開く何かを感じたようだ

 ▼〈小包の紐(ひも)の結び目をほぐしながら 思ってみる -結ぶときより、ほぐすとき すこしの辛抱が要るようだ〉。吉野弘さんの詩「ほぐす」にある

 ▼抑止力のため沖縄の海兵隊は必要、沖縄は基地で食べている。真偽が吟味されないまま、多くの人の頭の中に入りくんだ頑固な「結び目」であろう。ほぐすには、根気強いメッセージ発信が必要か。願わくば少しの辛抱で…、とはいきそうもない

 ▼繰り返される「辺野古は唯一の解決策」の言葉に、知事は「固定観念」と指摘し、その縛りを解くことを求めた。解けるとき、意固地な思考で結ばれていたことに、初めて気付くこともあるだろう。そう気付いてほしい人の顔が、いくつも浮かぶ。(宮城栄作)