【名護】無抵抗なのに海に突き落とされ、長時間羽交い締めにされた。名護市辺野古沖で21日、抗議の市民らが「暴力的だ」と訴えると、海上保安官は「あなたたちは一般市民じゃない」と言い放った。

カヌーの男性を、海保のボートに乗せようとする海上保安官=21日午前9時39分、名護市辺野古(伊藤桃子撮影)

 前日、佐藤雄二長官が海保の対応を「冷静かつ丁寧な対応」としたが、市民らは「やっていることは逆だ」と憤る。翁長雄志知事が海外メディアに訴えた「海上での銃剣とブルドーザーの様相」が、わずか1日で証明されたかたちだ。

 東村の女性(26)の乗ったカヌーは、海中に飛び込んだ保安官に押さえられた。普段なら海保のゴムボートがカヌーを引き上げるまで、そのまま待機させられる。しかし今回、「落とせ」の声とともに体を捕まれ、海に落とされた。「落とせ」との指示は初めて聞いたという。

 ゴムボートの上でも、長時間羽交い締めにされ、離してもらえなかった。「なぜこんなに暴力的なのか」と訴えると、保安官から「あなたたちは一般市民ではないから」との発言があったという。女性は「転覆させる必要はない。明らかに過剰だ」と怒りをあらわにした。

 宜野湾市の女性(49)のカヌーにも通告なく保安官が飛び乗り、転覆させられた。海水を飲んだ上、海中で羽交い締めにされて首に赤いあざが残った。

 過去にも、別の市民が同じ保安官から暴力的な行為を受けていた。それを批判すると「みなさんが同じことをするなら、こっちも同じことをする。これが安全確保だ」と答えたという。

 女性は長官発言を踏まえ、「一部の保安官の暴力行為がひどすぎる。長官は命に対する責任感を持っていない。だから現場でそれが正当化されている」と批判した。