国際会議や学会、企業の報奨旅行、見本市など国内外から多くの参加者が訪れるMICE(マイス)。それを受け入れる大型の施設を建設する県の計画が、実現に向けて踏み出すことになった。

 翁長雄志知事が22日、県庁で記者会見し、大型MICE施設の建設場所を本島東海岸のマリンタウン東浜地区に決定した、と発表した。

 与那原町と西原町にまたがる同地区の13・9ヘクタールに、2万人収容の展示場や約7500平方メートルの多目的ホールなどを備えた大型施設を建設する計画だ。2015年度に民活導入可能性検討調査などを行い、16年度に用地取得および実施設計、17年度に工事に着手し、20年度に供用開始というスケジュールだ。

 大型MICE施設の候補地には、与那原・西原町、豊見城市豊崎のほか、那覇市の那覇軍港、宜野湾市の海浜公園、浦添市の西海岸地区の5カ所が名乗りを上げ、誘致合戦を繰り広げた。県の有識者会議による検討を経て最終的にマリンタウン地区と豊崎地区に絞り込まれていた。 

 翁長知事は、決定理由の一つに「地域の振興による県土の均衡ある発展」を挙げた。観光リゾート産業や情報通信関連産業などが多く立地する本島西海岸に比べ、開発が進んでいない東海岸の地域活性化を考慮した決定である。

 MICEエリアとして成立するには、ホテルや商業施設など周辺地域の産業集積が不可欠である。県の構想実現には、短期間でのそれら民間施設誘致の成否が鍵をにぎることになる。

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 MICEは、一般の観光旅行に比べ、参加人員の規模が大きく、滞在日数も比較的長いことから開催地への経済効果が期待できる。参加者らとの交流によるネットワークの構築が開催地のビジネス環境の向上につながるなど、誘致による付加価値が、国際的に注目を集めている。

 県は昨年公表したMICE施設の基本構想概要で、施設整備に伴う経済効果を試算している。年間のMICE開催を約150件と想定した場合、来場者数は77万人、経済波及効果は約400億円、雇用効果は約5400人。

 ただMICE施設はあくまで器でしかない。県は「大規模MICE施設は収益施設ではなく集客施設であり、減価償却などを含め採算がとれないことが一般的である」とも指摘している。MICE施設を地域の収益にどうつなげるか、その戦略づくりが重要である。

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 「成長著しいアジア経済のダイナミズムを取り入れ、沖縄が大きく飛躍する時代を迎えた」。翁長知事が掲げるアジア経済戦略構想にMICE誘致戦略は不可欠だ。

 アジア地域のMICE開催ニーズの拡大に伴い、国内の自治体をはじめ、世界の国や地域のMICE誘致活動が激化している。この激しいMICE誘致合戦に挑んでいかなければならない。県は県としてのリーダーシップを発揮して、民間は民間の活力を生かし、それぞれの役割を発揮して新たな観光需要を創出してもらいたい。