美ら島財団は20日、沖縄県本部町の海洋博公園ウミガメ館でクロウミガメの飼育下の繁殖に世界で初めて成功したと発表した。赤ちゃんガメ11匹は同館で見ることができる。同財団総合研究センターの河津勲上席研究員は「クロウミガメは世界的にも研究が進んでいない。今後の飼育で繁殖生態や新たな知見を得ることができる」と期待した。

海洋博公園で生まれたクロウミガメの赤ちゃん(美ら島財団提供)

 クロウミガメはメキシコからペルー南部、ガラパゴス諸島に生息。日本で発見されるのはまれだという。海洋博公園では1998年に雄、2009年に雌の定置網にかかった個体を保護し飼育。今年6月に初産卵を確認した。8月27日~9月16日に11匹がふ化した。

 河津上席研究員は「ウミガメ館ではなるべく自然に近い環境で飼育している。これが今回の繁殖成功につながった」とみる。

 貴重種のクロウミガメは、アオウミガメと同種かどうか最近まで専門家の間でも評価が分かれていたが、現在は別種とされている。河津上席研究員は「今後の観察で繁殖や生態について明らかになれば、世界的に貴重なデータとなる」と話している。