9秒でまるわかり!

  • SOLA沖縄が今春、県内初の臨床工学技士養成学科を設置した
  • 県内の臨床工学技士は約250人だが、医療の高度化で約100人不足
  • 離島やへき地、在宅での人工心肺・透析治療の人材で期待される

 SOLA沖縄保健医療工学院(宜野湾市、川満秀昭学校長)が今春、生命維持装置の操作や保守・管理などを担う臨床工学技士を養成する学科を沖縄県内で初めて設置した。臨床工学技士は、医療機器の高度化や役割の拡大などを受け慢性的に不足しており、病院側も実習受け入れの協力態勢を取る。1期生の44人が3年後の国家試験合格を目指して学んでいる。(溝井洋輔)

4月に県内で初めて開設された臨床工学技士学科で、授業を受ける1期生=15日、宜野湾市・SOLA沖縄保健医療工学院

 県臨床工学技士会(仲地勝弘会長)の会員は3月末現在で222人。入会していない人を含めると県内の臨床工学技士は合計で約250人とみられる。公立を含む40以上の病院で働いているが、医療の高度・専門化に伴って現時点で100人ほど足りないのが実情という。

 学院によると、国内65の養成施設が年間約2500人を育成している。しかし、これまで県内には養成施設がなく、経済的理由で県外で学ぶことを諦める人がいたほか、人材流出が課題だった。

 学科新設で、小規模離島・へき地の診療所や在宅で呼吸器や人工透析を担う人材が増えるほか、人工透析が必要な観光客への対応なども見据えている。

 県は医療機器の保守・管理の充実を目的に2015年度から県立病院の臨床工学技士の定数を14人から52人に拡大。16年度から段階的に採用を進める方針だ。

 人手不足の課題を抱える病院側も協力する。琉球大学医学部付属や県立、民間の病院が生徒の実習受け入れを決めている。

 学院の小田正美・臨床工学技士学科長は「しっかり勉強してもらい沖縄の地域医療と離島医療に精通した人材の育成を目指したい」と抱負を語った。

 経済的な理由で県外への進学を諦めていた山城福也さん(18)=沖縄市=は県内で学べると知り、1期生に名を連ねた。「2年前に父が亡くなった際に、病院で接したチーム医療に携わりたい」と意欲を見せる。

 金城未来(みき)さん(20)=南風原町=は父親と同じ臨床工学技士になりたいという夢に向かって、大学を辞めて学院に入学した。「自分がやりたいことを学べ、楽しくて充実している」と笑顔を見せた。

 【ことば】臨床工学技士 人工心肺装置や人工透析装置など生命を維持する機器の操作や保守・管理する医療の専門職。医学と工学の知識が要求される。心臓カテーテル業務が加わるなど役割は広がっている。腎臓の働きを代替する人工透析患者数が人口比で全国ワースト級の県内では需要も高い。ME(メディカル・エンジニア)、CE(クリニカル・エンジニア)とも呼ばれる。