沖縄を訪れる外国人観光客のうち、最も多いのが台湾。2016年度は外国客全体のうち約3割を占め、65万2100人に達した。経済成長と所得の増加に伴い旅行熱が高まっており、県の一括交付金を使ったプロモーションを始めた12年度から毎年増えている。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)によると、客層は中高年から20〜30代へ大きく変わったという。

外国人を含む多くの観光客でにぎわう国際通り=那覇市松尾

 台湾にとって、従来の沖縄は近くてアクセスがいいため「中高年が団体旅行に行く場所」。OCVBは、若年層の個人客を取り込むためイメージを変える戦略に出た。15年度の県調査では、沖縄を訪れた台湾人観光客のうち、20代が37・2%、30代が41・2%。合わせると78・4%で、同様の傾向がある香港と韓国の割合をそれぞれ14・5ポイント、6・9ポイント上回った。

 台湾に売り込んだのは、沖縄の美食、美容・コスメ、リゾートウエディングなど。現地の旅行博では、オリジナルのアロマを作れるブースを構え、旅行意欲が高い20〜40代の女性客に訴えた。誘客の柱にスポーツも加え、県内のマラソン大会やサイクリング大会をPR。自転車を飛行機やクルーズ船に載せてやってくる愛好家が現れた。

 アクセス面をみると、年代層の多様化に呼応するように、当初、中華航空1社だった航空路線は現在6社(7月末時点で週75便)に増えた。14年度まで、那覇路線を就航した航空会社に対し、運賃の一部を県とOCVBが補助したことも追い風となった。現在は、航空会社と旅行社が沖縄旅行の広告を出す場合、費用を一部負担している。

 「団体旅行から個人旅行へ」という世界的な流れも味方に付けようとしている。OCVBは12年10月、台湾向けのフェイスブックページを開設。10万人に上るフォロワーに週4回以上、エイサーまつりや綱引きなど県内のイベント情報を発信している。

 さらに、現地の旅行社とタイアップし、個人客向けの沖縄観光商品を開発している。ビーチに張ったテントで高級な食事を楽しむ「グランピング」や、ヨガ、ライブハウス巡り、飲み歩きなどのテーマ旅行が好評だという。

 「今後の戦略は沖縄のブランド化。『高くても沖縄へ行こう』と思ってもらえるようにしたい」と、OCVBの担当者は話している。(政経部・平島夏実)