今から約30年前、沖縄市のコザ十字路周辺には本屋や古書店が10軒近くあった。だが今、当時の店はほとんど残っていない。中学から高校にかけて毎日のように数軒をハシゴし、そのうちの一つでバイトもしていた者としては寂しい限り

▼県内の本好きが楽しみにしている年に1度のイベント「ブックパーリーOKINAWA2017」に、今年初めて「かつてここには町の本屋さんがあった~なつかし写真展~」という新企画が加わった

▼展示されているのは各地の本屋さんの写真だ。24日まで大城書店読谷店で開かれ、その後は名護市や西原町、金武町、那覇市を巡回する

▼出版社ボーダーインクの編集者・喜納えりかさんたちが県内書店の歴史を記録しようと取り組む調査で、関係者から入手した写真を「多くの人に見てもらい、当時を思い出してほしい」と思い付いた

▼出版取次会社トーハンの今年7月末のデータによると、県内で書店がない自治体数は20で、北海道の58、長野県41、福島県28に続く。離島自治体も含まれるので、県外との単純比較はできないが、町の本屋さんの減少は、多くの人が実感しているに違いない

▼インターネットがなかった時代、書店は世界の最新情報に触れられる貴重な場所だった。写真展は、町の本屋さんが持っていた文化的役割を再考する契機になる。(玉城淳)