学童クラブを利用する発達障がいなどの子どもについて、医学的専門知識を持つ作業療法士が遊びや生活の様子を観察し、支援方法を助言する県内初の試みが7~8月の夏休み期間中、南風原町であった。作業療法士が町内4カ所の学童クラブを各3回訪問し、友達とうまく遊べない子やコミュニケーションが苦手な子の行動や会話から特徴をつかみ、学童指導員らに適切な関わり方をアドバイスした。(写真部・田嶋正雄)

学童クラブで子どもたちの様子を観察する作業療法士の仲間千穗さん(左)ら=南風原町

 「こども相談支援センターゆいまわる」の仲間知穗代表ら複数の作業療法士が夏休みの序盤、中盤、終盤に訪問し、気になる子の様子を観察。その都度、現場の学童指導員とのミーティングで子どもの行動が示す意味や効果的な接し方などを共に考えた。

 ある学童では学校や家庭で怒られる機会が多く、問い詰められるとうそをついてしまう小学校高学年の子を観察。プレッシャーを与えない声掛けの工夫や、すぐに返事を求めず「後で聞かせてね」と、その子の中で整理する時間をつくる手法などを助言した。

 別の学童では、友達の遊びの輪にうまく入れず、「学校に行きたくない」と言い始めている低学年の子への接し方を模索。友達や周りの大人に認められる経験を増やし、安心感や自己肯定感、学習面での達成感を得られるような取り組みの重要性を確認した。夏休み終盤には表情が豊かになり、友達同士で遊ぶ場面が増えるなど、働き掛けの成果が表れたという。

 仲間さんは、作業療法士の専門性について「目の動きや靴を脱ぐ場面だけでもどんな困りごとを抱えているかをある程度、予測できる」と説明。「アイデアをすぐ実行に移せる柔軟性という学童の強みと合わせ、多様な子どもが安心して育つ環境づくりを今後も手伝っていきたい」と話した。

 2016年度から同じ事業に取り組む岡山県学童保育連絡協議会の助成を受け、町学童保育連絡協議会が今回初めて導入した。助言を受けた学童指導員の一人は「支援が必要と思われる子は増えているが、叱っていい場面かどうか、迷うことも多い。専門的なアドバイスが聞けて、言葉掛けを工夫するきっかけになった」と喜んだ。

 町こども課の前城充課長は「子ども自身を変えるのでなく、周りが変わることが大事。支え合う地域づくりのため、継続に向けて環境を整えたい」と話した。