沖縄コンベンションセンターで開かれた今年の「しまくとぅば語やびら大会」。6歳の幼稚園児から83歳のお年寄りまで、各市町村代表の23人がそれぞれの思いを披露した。しまくとぅばとともに年を重ねてきたお年寄りの話はやはり味わい深い。

 たくさんの聴衆が駆け付ける中、小・中・高校生のしまくとぅばを聞くと、復興に向かっているのではとの意を強くする。

 だが、実際は先細りという。今年1~2月に実施された県民意識調査によると、「人と話すとき、しまくとぅばを使うか」との問いに、「あいさつ程度以上使う」は計54・1%だった。2013年度の前回調査に比べ3・9ポイント落ちている。「しまくとぅばを共通語と同じくらい使う」に限れば、20・9%で、4・5ポイント下がっている。

 意識調査は継承がうまく進んでいないことを示している。家庭、学校、地域ごとの取り組みがいずれも不足しているからだ。

 一方で「親しみを持っている」は依然78・4%もある。「子どもたちに使えるようになってほしいと思う」県民も82・2%に上る。

 県は13年度に策定した普及推進計画で「あいさつ程度以上使う」の目標を19年に70%、22年に88%と設定している。県は小中高校生向けのしまくとぅば読本を作成したり、テレビCMを流したりしている。民間団体や各地の文化協会の講座も盛んだ。目標達成に向け官民が連携してもっと力を入れてほしい。

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 普及の鍵を握るのが今月設立された「しまくとぅば普及センター」だ。しまくとぅばを話せるお年寄りが年々少なくなるため、最後のチャンスとの認識で臨む。県文化協会が運営する。傘下の市町村文化協会とのネットワークを活用し、話者のお年寄りを人材バンクに登録。学校などに派遣し、人材育成も強化する。

 普及センター長に就任した波照間永吉県立芸術大名誉教授(琉球文学)の構想の一つはこうだ。

 地域に伝わる民話や、地域の誇りとする英雄を題材に演劇に仕立てて子どもたちが演じる。指導者はもちろんお年寄りだ。

 毎年行われる綱引きや豊年祭などの伝統行事でも可能である。日常生活の中で使ってこそのしまくとぅばである。

 地域の誇りを共有し、世代間コミュニケーションや地域コミュニティーの再生につながる可能性を秘める。

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 しまくとぅばは沖縄文化の基層をなす。腹の底から湧き出てくる喜怒哀楽はしまくとぅばでないと表現できない。土地の記憶や体験に根差しているからだ。ここ数年、集会でしまくとぅばが飛び出してくるのはこのためだ。

 話者のお年寄りは地域の宝である。普及センターには学校で、地域で、お年寄りと若い世代をつなぐ役割を積極的に担ってもらいたい。

 「わったーん うとぅすいからしまくとぅばならてぃ いきわるやいびーんでーやーさい」(私たちもお年寄りからしまくぅばを学んでいこうではありませんか)