2017年(平成29年) 12月17日

沖縄空手

古武道、文芸活動の力に 「空手が持つ平和の思想、世界中へ広げたい」

【空手と私】平山良明さん(82)日本歌人クラブ参与

 沖縄伝統古武道保存会総本部「文武館」に所属する平山良明さん(82)は、空手・古武道に関わり50年余りになる。これまで歌人としての活動が広く知られているが、文芸活動の背景にあるのは空手、古武道で鍛えた体、精神の強さだ。「先人である沖縄の武術家から受け継いだ平和の思想を世界に広めなければいけない」と強調している。(学芸部・与儀武秀)

「前里の鉄甲術」の稽古をする平山良明さん=那覇市首里鳥堀町・沖縄伝統古武道保存会総本部文武館道場(渡辺奈々撮影)

「自らの身を守るのが沖縄の空手」と話す平山良明さん=那覇市内

「前里の鉄甲術」の稽古をする平山良明さん=那覇市首里鳥堀町・沖縄伝統古武道保存会総本部文武館道場(渡辺奈々撮影) 「自らの身を守るのが沖縄の空手」と話す平山良明さん=那覇市内

 「私が生まれた今帰仁村呉我山の隣は、上地流の開祖である上地完文が生まれた本部町伊豆味。村芝居でも空手の演武が披露され、子どもの頃から『すごいな』と興味を持っていた」

 幼少時から空手に親しんでいた平山さんが本格的に空手を始めたのは高校の教員だった20代の頃。那覇市松尾にあった松林流初代宗家、故長嶺将真氏の道場に通ったことがきっかけだった。

 40代からは、県無形文化財保持者で沖縄伝統古武道保存会総本部「文武館」の仲本政博氏の指導を受け、今日まで空手、古武道に親しみ50年余りになる。現在は文武館に所属し、古武道範士九段の腕前。時間を見て自宅で巻きわらを突くなど、鍛錬に余念がない。

 日本歌人クラブ参与で現代歌人協会会員。沖縄タイムス文化面で歌壇の選者を長く務めるなど、これまで文人としての活動で広く知られているが、長年にわたり続ける空手家としての顔も併せ持っている。

 「空手には体だけでなく、体の中に宿っている魂を守るという考えがある。先人からの長い歴史の中で築かれた型は、身を守るものであり、相手を殺すものではない。だから『術』ではなく『道』を究める思想だ」とその魅力を語る。

 長嶺氏の元で空手を学びながらも、空手家としても知られた元参議院議員の故喜屋武真栄氏が、同じ道場で釵(さい)などの武器を用いて古武道の演武をする姿に憧れた。「三段になったら古武道を教える」(長嶺氏)との言葉に従い、古武道を習い始めたのは40歳ごろだった。

 「古武道で用いられる武器は農務から生まれたものであり、背景にあるのは農作業。生活の中から沖縄の思想や魂を守るものとして成長してきたものだ」と説明する。中でも自身が得意とするのは、鉄の輪を手にはめて攻防をする「鉄甲」。馬蹄(ばてい)を改良した武具である鉄甲は、小さく懐に入れて持ち運べるが、拳と一体になり急所に入る。「好きでやっているうちに文武館の演武でも、鉄甲の演武は私に、というようになった」と笑う。

 「空手に先手なし」「自らの身を守るのが沖縄の空手」と精神性の重要さを強調しながら、最近気になっていることとして、緊張感を増す東アジアの周辺諸国の政治状況を挙げる。

 平山さんは「各国の人間が沖縄の武術家たちが残していった平和の思想を学べるよう、空手を世界に広めなければいけない」と強調した。

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