県内の高校生は、沖縄戦に対する意識は高いが、沖縄の戦後史には関心が低く、米軍基地の存在にも違和感が少ない-。

 沖縄歴史教育研究会と県高等学校障害児学校教職員組合(高教組)が実施したアンケートから、このような高校生像が浮かび上がった。併せて、平和教育の成果と課題も見えてきた。

 アンケートはことし1~3月、全県立高校の2年生2クラスに依頼し実施、36校の2340人から回答があった。

 沖縄戦を学ぶことについて「とても大切」「大切」と回答した生徒は、合わせて94・1%。1995年から5年ごとに実施している調査の結果で最も高かった。

 戦後70年が経過し、県民の4人に1人が亡くなった苛烈な沖縄戦を、体験者からじかに聞く機会が少なくなっている。

 その中で、高校生が戦争の実相から平和の尊さを学び、次代に継承する自覚を持っていることは大変心強い。ただ、気になるのは、具体的な事実に関する設問の正答率の低さだ。

 ことしが沖縄戦終結から何年になるかの問いに、「70年」と正しく答えられた生徒は54・7%にとどまった。糸満市摩文仁の「平和の礎(いしじ)」に刻銘されている戦没者数も正解の「約24万人」は18・6%だった。

 沖縄戦の記憶を継承する意識は高いものの、抽象的な理解にとどまっている。実相を正しく伝えるには、具体的な理解につなげる手だてが必要だ。

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 戦後史や基地問題の知識も乏しい。沖縄が日本に復帰した年月日を正しく答えられたのはわずか12・4%。沖縄に置かれている在日米軍基地の割合を「約74%」と正解したのも6割と低水準だった。

 なぜか。戦後27年の異民族支配の歴史や基地が形成された過程、今なお続く過重な基地負担など、地続きの戦後史を学ぶ機会がほとんどないからではないか。

 知識の乏しさはそのまま、関心の低さにつながる。現在、焦点となっている普天間基地の移設先について考えを尋ねたところ、「国外・県外」は34・6%にとどまり、「現在のままで良い」が20・7%、「辺野古に移設した方が良い」が8・8%と続く。「分からない」も36・0%だった。

 5年前の前回調査に比べると、高校生の基地容認の姿勢が強まっている。辺野古移設に約65%が「反対」と答えた、直近の世論調査との乖離(かいり)は大きい。

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 学校では、安全保障政策など世論が分かれる政治的テーマを授業などで取り上げにくくなっているという。昨年、集団的自衛権の行使に向けた閣議決定にからみ、下村博文文科相は「一方的な主義主張による不適切な事案であれば指導する」とけん制した。

 しかし、沖縄の生徒にとって基地問題は暮らしに関わるテーマだ。正しい知識が得られなければ、「基地がないと沖縄は経済的に立ちゆかなくなる」といった誤った見方に影響されかねない。歴史的な課題を体系的に学べる仕組みづくりは、大人の責務だ。