公正中立で客観的な報道を-。マスコミによく求められる。取材相手と一定の距離を保ち、事実を客観的に伝えることは大事な決まりごとである

▼日本ではその公正と中立を「偏らない」ことと同義にとらえる傾向が強いが、欧米メディアでは公正さ(フェアネス)を、「弱者」を思いやる姿勢として重んじられるという。ジャーナリズム研究の山田健太専修大教授に聞いた

▼新基地建設反対の沖縄の立場を広く知らせるため、翁長雄志知事が米国に向かった。肝心の海外メディアは、沖縄の現状にどんなまなざしを向けているのかどうか気になって、在京特派員に会った

▼取材に応じた記者が関心を寄せているのは分かる。では全体としてはどうか。こちらが思っていた以上に沖縄をフォローしている特派員は多いと聞き、何か気が安らいだ

▼インタビューでは、沖縄の現状に「フェアでない」と認識は一致し、民意を受け止めず新基地を「唯一の解決策」と繰り返す政府には手厳しい。沖縄側の今後の展望については、もちろん困難さを指摘するが、悲観でもない

▼自国の問題ではない。本国での関心は必ずしも高くはない。それでも自らの関心は低下させず報道し続けると語るのは、心に宿すフェアネスの重みからであろう。彼我の違いは…、とこぼすのはここではやめておく。(宮城栄作)