鉄軌道の導入を検討している沖縄県交通政策課は28日、那覇市の南部合同庁舎で、交通事業者や市民団体など関係機関の意見交換会を開いた。鉄軌道が地域や他の公共交通へ与える影響や、利用者目線での議論を求める声が上がった。県と関係機関の意見交換は初めてで、今後も有識者による検討委員会と並行して開催し、意見を集約する。

鉄軌道の導入を議論した関係機関等意見交換会=28日、那覇市の県南部合同庁舎

 沖縄都市モノレール社の仲吉良次社長は、交通網の整備で都市圏にヒトやモノが流れるストロー効果が起き、地方が衰退する可能性を指摘。「那覇-名護間を1時間で結ぶ意味を、深く検討するべきだ」と述べ、導入ありきの議論とならないよう提言した。

 県バス協会の合田憲夫会長は「バスは基幹交通を目指しているが、鉄軌道が導入された時にフィーダー(支線)に変わる。経営への影響は非常に大きい」と述べ、他の交通に与える影響も検討することを求めた。

 生活・交通弱者の視点から県婦人連合会の平良菊会長は「高齢者は交通手段がないから、外に出ない人もいる。鉄軌道は利用できる感じがする」と利用価値を挙げた。

 NPO法人バリアフリーネットワーク会議の親川修理事長は「使う側からすると単価が分かれば、より身近になる」と指摘した。

 県交通政策課は来年3月末までの計画案策定を目指しているが「丁寧に進める」として、期限の延長も含め議論を深める考えを示した。30日は那覇市の県立博物館・美術館で県民会議を開催する。