明治政府が琉球を強制的に近代日本国家に組み込んだ1879年の「琉球処分」で、最後の琉球国王、尚泰を神戸まで連行した政府の官船「東海丸」が、74年の台湾出兵の際にも使用されていたことが28日までに分かった。沖縄大学の又吉盛清客員教授が複数の資料を元に明らかにした。又吉客員教授は「琉球処分の軍事的性格を示すものだ」としている。

台湾出兵に同行し、琉球処分では尚泰王を神戸まで連行した東海丸(又吉盛清氏提供)

 東海丸は74年の台湾出兵の際、5隻の軍艦などとともに台湾に赴いた。武力行動と一体化して、官僚らのほか、食料や武器弾薬などの兵たん物資を輸送していたとみられる。

 又吉客員教授は、これまで琉球処分を内政的な行政措置と理解する見方もあったとした上で、「琉球処分で用いられたのは単なる輸送船ではない。軍用船が使用された事実は『琉球出兵』による併合と位置付けられ、処分の暴力性を示すもの。広く東アジアの領土拡大と植民地支配の文脈で沖縄の歴史をとらえ直す必要がある」と指摘している。(与儀武秀)