検診を受けたら、大腸ポリープが発見された。便通の異常もなく、腹痛などの症状もない。切除するのはちょっと怖いし、がんでなければそのままでもいいと思うのだが、さてどうしようか。

 大腸ポリープとは大腸の内側、すなわち粘膜から発生するイボのようなものです。首のような茎があるものからほとんど平たんなものまで形状はさまざまです。

 40歳代以降から年を経るに従い増えてくるといわれています。自覚症状はほとんどありません。ただ2~3センチと大きくなると血便や排便障害が出現することがあります。

 大腸ポリープには、がんになる危険性のある腫瘍性ポリープと、ほぼがんにならないポリープがあります。腫瘍性ポリープが大腸ポリープ全体の80%を占めます。

 内視鏡の観察で腫瘍性かそれ以外のポリープかのおおよその鑑別はできます。しかし正確に区別するにはポリープの一部を取ってきて、それを顕微鏡で見る検査が必要になります。

 腫瘍性ポリープでもほとんどは良性ですが、一部はがんになる危険性があるということです。大きさが重要で、10ミリを超えるとがん化率が高くなります。一般には5ミリ以上の大きさのものは切除が勧められています。5ミリ以下でもポリープ表面の性状によっては切除した方がいいものもあります。

 小さなポリープや茎のあるポリープのほとんどは内視鏡で取ることができます。内視鏡で取ることが難しい場合には外科手術が勧められます。手術としては腹腔(ふくくう)鏡下手術が第一選択になります。

 腹腔鏡をおなかの中に挿入し、モニターに映し出された画像を見て手術を行います。細長い手術用器具を使ってポリープのある腸管を切除します。腸管をつなぎ直して創を閉じます。通常の開腹手術に比べ傷が小さいので痛みが少なく、美容的にも優れています。

 大腸がんの死亡数は増加傾向にあり、厚生労働省の人口動態統計によれば2012年の大腸がん死亡数は4万7千人を超えています。がんなど(全悪性新生物)の死亡率をみると女性で1位、男性では肺がん、胃がんに次いで3位となっています。

 ちなみに内視鏡でポリープを取った人は、内視鏡検査を受けない人に比べ大腸がんの発生率がかなり低いとの報告があり、内視鏡でポリープを取ることは大腸がん発生を予防する効果があると結論付けています。

 ポリープの段階で発見された大腸がんの多くは早期がんです。治療によりほとんど治ります。(大嶺靖 沖縄赤十字病院)