【連載「働く」を考える】第4部・インタビュー 県労働組合総連合議長 仲里孝之さん

 −県内の労働組合(労組)の組織率は年々低下し、2015年についに1割を切った。16年は9・8%で過去最低を更新、全国の17・3%とも大きく開いた。原因は何か。

「生活できる賃金を保障した上で、能力給をプラスする賃金体系が必要」と話す県労連の仲里孝之議長

 「最大の要因は非正規化だ。全国的に正規職員がどんどん減り、非正規化が進んでいる。特に県内は非正規雇用率が突出している(県44・5%、全国38・2%)。非正規の皆さんも参加できる組合づくりをしているが、急速に広がるところまでいっていない」

 −組合員を増やすためにどうするか。

 「1割を切っているということは労組の存在すら知らない人がいるかもしれない。我慢して働き続けたり、会社を辞めたりするのではない選択肢として労組がある。会社と対峙(たいじ)するだけでなく、相互利益のためにできることも多い。1人でも入れるユニオンなどの労組がある。われわれはいろいろな意味で反省しながら、仲間を増やしていく取り組みをしていきたい」

 「有期雇用者が5年を越えて勤務した場合、期間の定めのない無期雇用に転換できる『無期転換ルール』が来年度から適用される。雇用が安定するため、労組加入は呼び掛けやすくなるだろう」

 −県内の給与水準は全国の8割弱だが、食料物価は全国一高く、労働者の生活に影を落としている。

 「長年沖縄に住んでいると慣れて気づきにくいが、本土から来た皆さんから指摘される。土地価格も高い。ダブルワーク、トリプルワークしなければ生活できない人が多い」

 「全国労働組合総連合が行った最低生計費試算調査では、生活に最低限必要な費用は全国どこも同じレベルだと分かった。最低賃金を全国一律、千円にするべきだ」

 −労働環境改善のため何に取り組むか。

 「インバウンド(外国人観光客)を中心に観光産業が伸びているが、仕事がきつい割に賃金が安いなど、処遇の悪さを訴える労働相談が多い。これからも伸びる産業で裾野も広い。働く環境を改善するために労組づくりに取り組みたい。働く環境の改善が人手不足解消にもつながる」

 「公共事業に従事する労働者に適正な労働環境を保障する『公契約条例』を県が本年度中に制定予定だが、規制のない『理念型』になっている。それでは実効力が伴わない。きちんと機能するような仕組みにするため、『規制型』を要請しており、今後も求めていく」(聞き手=学芸部・高崎園子)