不眠の問題を抱えがちな高齢者らを対象に、質の良い睡眠や寝具の重要性などを説く「快眠教室」が、県内の介護予防事業などで活用され注目されている。寝具の企画・販売、店舗「眠りの駅」の経営などを手掛けるファーストライン(大城勇社長)の有資格者が講師を担当。八重瀬町や那覇市で取り入れた地域があるほか、安全運転対策の一環で開いた運送会社もある。

快眠アドバイザーの小那覇夏希さん(左)から話を聞く参加者たち=8月25日、八重瀬町・外間高層住宅集会所

睡眠の姿勢や寝具の選び方などについて学ぶ参加者たち=八重瀬町安里(提供)

快眠アドバイザーの小那覇夏希さん(左)から話を聞く参加者たち=8月25日、八重瀬町・外間高層住宅集会所 睡眠の姿勢や寝具の選び方などについて学ぶ参加者たち=八重瀬町安里(提供)

昼寝 午後3時までの30分がベスト

 「成長ホルモンが最も多く分泌されるのは、寝始めから約2時間」「昼寝をするなら、午後3時までの30分程度がベストです」

 8月下旬、八重瀬町の外間高層住宅の集会所。集まった高齢者たちにスライドを使って約1時間、睡眠の基礎知識を語ったのは、眠りの駅の快眠アドバイザー小那覇夏希さんだ。

 不眠になると、免疫力の低下や糖尿病などの生活習慣病をはじめ、脳内で認知症の原因物質とされるアミロイドβやタウと呼ばれるタンパク質が増えるリスクなどを説明。眠っている間に体を補整する成長ホルモンや適度な寝返りが健康維持に重要と強調し、寝具や光、温度・湿度など五つの睡眠環境を整える必要性を指摘した。

 同住宅に約20年住む久高満子さん(77)は「いつもの昼寝のタイミングが正しいと分かり、安心した。自信を持って続けたい」とにっこり。

 八重瀬町の快眠教室は、町社会福祉協議会に委託し月1回開かれている一般介護予防事業に組み込む形で実施。5月から9月にかけ10カ所の公民館や団地で開いた。町社会福祉課の比嘉大輔主事は「介護予防と眠りの関係は、あまり意識してこなかった視点で一つの気付きになっている。今後も求めがある地域に、広げていきたい」と話す。

 このほか那覇市では、各地の地域包括支援センターなど17カ所で開催。西原町でも導入する予定があるという。琉球通運(那覇市)は居眠りや疲労を防ぐ従業員への安全講習として活用し、約80人が参加した。

 参加者から要望があれば、実際に寝具を使って理想の硬さや高さを体験してもらったり、腰痛や肩こり、しびれの原因や改善策などを助言したりする。

 ファーストライン営業部の新垣剛部長は「人生の3分の1は睡眠に費やされると言われ、心身の健康や日中のパフォーマンスに大きく影響する。良質な睡眠に関する知識や経験を多くの人に届けたい」と語った。