【連載「働く」を考える】第4部・インタビュー 連合沖縄会長 大城紀夫さん

 −県内労働組合(労組)の組織率(9・8%)の低さの原因をどうみるか。

「従業員教育もするので、本来、組合があったほうが企業は伸びる」と語った連合沖縄の大城紀夫会長

 「分母(労働者数)が増えていることもあるが、若年層などで組合に入らない人が増えている。働く人自身の組合の重要性に対する認識の問題があると思う」

 −連合沖縄としての取り組みは十分か。

 「十分ではないと思う。構成産別のそれぞれの組織の中で呼び掛けていかないといけない」

 「労働者の権利や労組の大切さなどの基礎知識が学校教育などで学ばれていない。対策としてわれわれは沖縄大への寄付講座を通して啓発に取り組んでいる」

 −県内の労働実態で1番の問題は何だと思うか。

 「労働分配率だ。経営者と従業員が共に生産性を高める努力をして、利潤が出たときに労働者に適正に分配されているか。県内は分配率が低い、だから賃金が低いのではないかと思う」

 「県内の労働環境改善に向け県、沖縄労働局、県経営者協会、連合沖縄の公労使4者は連携し、講習会などを通して、意識啓発に取り組んできたが、賃金不払いなどの問題が起きるということはお互いの努力がまだ足りなかったということだろう」

 「人手不足の中、働きやすい環境をづくりに力を入れ人材を流出させないようにしなければ、企業は淘汰(とうた)される」

 −県内は給与水準が全国の8割、最低賃金(最賃)は全国最低額が続いている。

 「最賃は物価などの指標をもとに各都道府県はAからDまででランク分けされている。東京などAランクは引き上げ目安額が高く、沖縄などのDランクは低い。本来、離島県のほうが物価は高い。AとDを逆転させる政策誘導を行うべきだ。賃金を上げるための産業政策も必要だ」

 −県内の労働環境を変えるために連合沖縄として具体的に何をしていくか。

 「連合は10年ほど前から、(自治体発注の公共事業を受注した企業の従業員の賃金を保障する)『公契約条例』の制定を県や市町村に働きかけてきた。公契約条例では非正規雇用を正規雇用に変えることなどが評価の対象になる。正規化や賃金アップへの県の助成金事業は間接誘導政策だが、公契約条例は直接誘導政策。(正しく機能するように)そのつどチェックも必要」

 「来年度からの非正規雇用者の『無期転換ルール』は一つの大きな転換。正規組合に入れるところもあるし、非正規の組合をつくって連合体をつくる場合もあり、方法はそれぞれだが、組合側も対応して変わらなければならない」(聞き手=学芸部・高崎園子)