沖縄県地域保健課は27日、宮古保健所管内の病院で昨年12月に亡くなった60代男性の死因が、ダニ媒介の感染症「つつが虫病」だったと発表した。同病の死亡例は県内で初めて。山野や畑などで病原体を持つダニ(ツツガムシ)に刺されて感染する。同課は「山林や畑などに入って、1~2週間後に発疹や発熱の症状が現れたら、すぐに医療機関で受診するように」と注意を呼び掛けている。

ツツガムシ(県地域保健課提供)

 ツツガムシは山林や河川敷、畑などの地中に生息するが、幼虫(体長約0・2ミリ)時のみ地表に出てきて、ネズミなどの動物に寄生するという。感染すると、38度以上の発熱やリンパ節の腫れ、発疹などの症状が現れ、重症化すると死亡する恐れがある。潜伏期間は5~14日で人から人には感染しない。抗生物質の投与による治療が有効。

 同課によると、男性は昨年12月10日に発熱し、体調が悪化。同27日に自力で歩くことが困難になり、医療機関を受診したが、同日中に心肺停止状態に陥り、死亡した。検査の結果、患者の血液やかさぶたから、つつが虫病の病原体遺伝子が検出された。9月に病理解剖の結果がまとまり、同病による敗血性ショック死と判断された。農作業中の感染と推定されるという。

 同病は2008年に県内で初めて患者が確認された。その後、宮古保健所管内(宮古島市、多良間村)だけで、ほぼ毎年患者が報告され、16年は過去最多の10例だった。今年は9月25日時点で2例。

 全国では北海道を除く各地で感染が報告され、近年の患者数は年間300~500人。患者の約0・5%が亡くなっているという。

 予防策は①山野に入る際は肌の露出を少なくし防虫スプレーを使用②衣服を草むらに放置しない③帰宅後はすぐに入浴する―など。

 同課では、宮古地域の住民や医療関係者、観光客向けに注意を呼び掛けるリーフレットを配布するなどし、被害の拡大防止に努めている。