沖縄県宮古島市議会(棚原芳樹議長)は28日の9月定例会最終本会議で、市長選や市議選で選挙公報の発行を求める請願書と決議案を賛成少数で否決した。反対した議員は「政策は地元マスコミなどで市民に十分届いている」と主張。一方、識者は「全ての有権者に候補者の政策を公平に届けるため、選挙公報は必要」と指摘している。

(資料写真)宮古島市

 同市選挙管理委員会によると、選挙公報が実現した場合の配布対象は約2万5500世帯。発行の総費用は約230万円を見込む。

 討論で野党の新城元吉氏は「どの議員を選ぶか、客観的に判断できる」と賛成。石嶺香織氏も「投票率は落ちている。投票行動を促すために発行すべきだ」と主張した。

 一方、与党の粟国恒広氏は「新聞やテレビ、ラジオなどで十分に行き渡っている。宮古島市は選挙公報がなくても投票率が高い」と反対。前里光惠氏は「発行に費用がかかり財政上大きな負担」と訴えた。

 採決の結果、請願書は賛成8、反対17、決議案は賛成9、反対16だった。

 宮古島市議選は2005年の合併から3度あり、投票率は05年の85・86%から毎回下落し、13年は76・6%。市の17年度当初予算は382億7200万円で、選挙公報の総費用が占める割合は0・006%となっている。

 沖縄国際大学の照屋寛之教授(行政学)は「選挙公報は有権者が公平に選択できる機会をどのように提供するかの問題。投票率が高いから、公報が必要ないという議論はズレている」と指摘。「発行費が大きな負担かを議論するよりも、情報格差を埋めるための民主的なコストと考えるべきだ」とした。