航空自衛隊ヘリコプター1機と民間機2機が関係した離着陸トラブルが3日、那覇空港で発生した。機体同士の衝突など大事故につながる可能性があったとして、国の運輸安全委員会が「重大」な案件と位置付け調査に入った。

 トラブルは、自衛隊ヘリが管制官から離陸を許可されたと誤って判断し、離陸したことが契機になったようだ。結果、離陸の許可を受けて全日空機が滑走路を加速する中、ヘリが前方上空を横切ったため、急きょ離陸を中止した。

 さらに、全日空機の離陸後に着陸を許可されていた日本トランスオーシャン航空(JTA)機に、管制官が着陸のやり直しを指示したが、JTA機はそのまま着陸。全日空機の後ろ約400~500メートルまで接近していた。JTA側は、やり直しの指示が来たのは着陸後としている。

 こうした二重のトラブルはなぜ起きたのか。

 航空機は離着陸時であっても高速で運航されており、瞬時の判断の誤りで命取りになりかねない。管制官との間で交わされる指示の取り違えがあること自体考えにくいが、まずは客観的な管制データと関係者から綿密に状況を聴き、トラブルの直接的な原因を究明してほしい。

 もう一つは、「過密状態」「軍民共用」と指摘される那覇空港の現状や特異性と今回のトラブルに関係がないかどうか検証する必要がある。離着陸回数は2013年度時点で14万8千回、1日平均400回を超え、第2滑走路が増設されるまでどう安全に運用するのか重要な課題だ。

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 国土交通省などの試算では1時間当たりの滑走路処理能力を超える時間帯がある。好調な沖縄観光を背景に航空各社はしのぎを削って沖縄路線で勝負を懸けているが、安全性をおろそかにした経済発展はあり得ない。官民挙げて現滑走路の適正運用を目指してほしい。

 「軍民共用」についても今日的課題といっていい。

 自衛隊が関係した事故は1985年に自衛隊機と旅客機の接触で旅客機エンジンが破損した重大なケースがあるが過去10年をみても、自衛隊機のパンクや滑走路進入で滑走路閉鎖や離着陸のやり直しがたびたび起こっている。

 空自戦闘機のパンクで空港が一時閉鎖された2008年には、那覇市や豊見城市の議会が「民間専用化」を全会一致で決議した。「軍民」の多種多様な航空機を管制する特異な状況を解消するためにも民間専用化の議論は、避けて通るべきではない。

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 那覇空港は言うまでもなく沖縄の玄関口だ。今後沖縄が日本やアジア・太平洋地域とともに発展するゲートウエイ(出入り口)機能も拡充される方向で、物流を中心とした24時間化がすでに始まり、関連産業の集積を見込む。

 航空機整備事業も進んでおり、空港を拠点にした複合的な産業に発展するビジョンも描かれている。そのためにも空港の安全運用は欠かせず、今回のトラブルを契機に広く沖縄の将来と結び付け、空港のあり方を考える機会にしてほしい。