米兵の事件・事故がまた相次いでいる。先月30日から今月6日までの8日間で米兵7人が逮捕されるという異常事態である。逮捕容疑は道交法違反(酒気帯び運転など)や強盗致傷で、ほとんど那覇市内で発生している。7日には沖縄市で米軍属の女性が酒気帯び運転の疑いで逮捕された。一体米軍の綱紀粛正はどうなっているのか。

 那覇市内では5月30、31日のいずれも未明に酒気帯び運転や飲酒検知拒否などで計5人が逮捕された。今月2日には、米空軍嘉手納基地第18憲兵隊所属の兵長(22)が、酒気帯び運転で追突事故を起こし現行犯逮捕された。

 さらに6日には、国際通りで5月下旬に男性が顔を殴られ現金を奪われた事件で、米海兵隊キャンプ・ハンセン所属の3等軍曹(26)が強盗致傷の疑いで逮捕された。同事件では、別の米軍人1人が関与した疑いもあり、県警が逮捕状を取り行方を追っている。

 被害に遭った男性は、ビルの軒下で休んでいたところを襲われ、左頬を骨折する全治2カ月の重傷を負った。多くの観光客が訪れる国際通りで、このような事件が起きたことは、沖縄観光にとってマイナスイメージにならないか心配である。日米両政府は、事件解決と再発防止に全力で取り組んでもらいたい。

 酒気帯び運転も一歩誤れば重大な事故につながりかねない。沖縄に派遣された若い兵士への飲酒運転防止教育はきちんと行われているのか。違反者への処分はどうなっているのか。県民への説明がなければ安心できない。

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 米兵の不祥事はどうして後を絶たないのか。米軍は昨年12月、軍構成員の勤務時間外行動指針(リバティー制度)を大幅に緩和した。飲酒制限については、午前0時から5時までの時間帯を除けば、基地の外での飲酒を認め、酒量制限も撤廃した。

 ところが、緩和措置が取られた直後から酒気帯び運転や住居侵入など飲酒絡みの米兵の逮捕が相次いでいる。

 この1週間ほど那覇市内で米兵の逮捕が相次いでいる事態は異常である。本紙の取材によると、摘発された米兵たちの所属は主に本島中部にある基地だ。米軍は飲食店街での巡回などを実施しているようだが、その監視の目が緩い那覇の飲食店に足を運ぶ米兵が少なくないという。

 国際通りの周辺は週末の未明に多くの米兵たちでにぎわっている。未明の飲酒は明らかに指針に違反している。米軍はこの現状を認識しているのか。行動指針が形骸化するのは許されない。

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 米軍基地は、地元住民の生活にも影響を与える。住民の理解を得るよう努力しなければ基地は機能しないことを米軍は知っているはずだ。日本政府も基地の負担軽減と口では言いながら、米軍の事件・事故防止に積極的な姿勢は感じられない。

 日米関係機関では米軍人による事件・事故防止のためのワーキングチームを設けている。逮捕者が相次ぐ現状を踏まえ、緩和措置の撤回も含め実効性を担保する対策を早急に講じるべきだ。