沖縄県では、2040年に「平均寿命日本一」の復活を目指し取り組みを進めていますが、働き盛り世代の死亡率が他県よりも高い「早世」の傾向が続いていることが課題となっています。死因別では、急性心筋梗塞、肝疾患、脳血管疾患、自殺などが全国ワーストクラスとなっています。また血圧が高い状態を放置するなど、危険な状態で日々暮らしている県民が少なからずいることも指摘されています。

 働き盛り世代の死亡は、家族はもとより職場や地域に大きなダメージを与えます。また、県全体で早世の傾向が続くということは、社会全体の活力の低下につながる可能性もあり、健康長寿ブランドの崩壊により観光などの各種産業への影響も心配されるところです。

 仲間で飲む機会が多い、気軽にファストフードをよく利用する、野菜や魚の摂取量が少ない、子育て中の親の喫煙率が高い、歩いて10分以内の距離でも車に乗る、夜から子どもを連れて居酒屋や買い物に出かけるなどの県民ならではのライフスタイルが、早世の原因となる生活習慣病の発生につながることが懸念されています。

 特に子どもの頃からこのライフスタイルが染みついてしまった場合、成人になってから改めるのは簡単ではありません。現在の働き盛り世代がつかってきた生活習慣や社会の環境を改善するとともに、次世代を担う子どもたちに、生活習慣や食育に関する体系的な健康教育を行うことが必要です。

 そこで県は県医師会と連携して、県内の全小中学校で使用する、食育などに関する副読本を作成する「次世代の健康教育事業」を実施しています。

 県内の医師、教員、栄養関係者が、県のデータを用いて、うちなーぐちも取り入れて作った県産品テキストです。内容は、小学校1年生から6年間かけて食育を学ぶ「くわっち~さびら」、小学校4年生から3年間生活習慣病について学ぶ「ちゃ~がんじゅ~」、中学3年間でストレスマネジメントなどを学ぶ「こころのタネ」の3種類で、教員用テキストと合わせて配布したところです。

 このテキストを通して学校だけでなく家庭や地域でも、食の大切さや健康的な生活習慣などについて学びを深めて頂きたいと思います。40年まで道のりは長いですが、地道な健康づくり活動を県内のさまざまな場所で展開し、官民一体となって健康長寿おきなわを取り戻しましょう。(糸数 公・県保健医療部)