住宅密集地にある米軍普天間飛行場の騒音被害の状況は「違法な権利侵害」だと、那覇地裁沖縄支部が認定した。2010年7月に示された第1次普天間爆音訴訟の控訴審判決に続き、司法が再び、騒音状況の違法性を認めたことになる。

 米軍機の騒音によって静かな暮らしを妨害され精神的な苦痛を受けたとして周辺住民約2200人が、国に約10億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、那覇地裁沖縄支部であった。

 判決は「騒音被害は深刻かつ広範にわたる」「公共性があるからといって被害を受忍すべきだとは言えない」と指摘し、「うるささ指数(W値)」75以上の地域の原告に総額約7億5400万円を支払うよう国に命じた。

 ヘリの低周波音による苦痛は、裏付ける証拠がないとして認めなかったものの、騒音による睡眠・学習・テレビ視聴などの妨害や騒音のイライラ感、不快感、墜落の不安などの精神的苦痛を認めた。

 政府の騒音対策の不十分さや根本的解決に向けた取り組みの弱さが、司法によって厳しく指弾されたのである。

 今回の訴訟が第1次、第2次(係争中)普天間爆音訴訟と異なるのは、夜間・早朝の飛行差し止めを求めず、損害賠償だけにとどめた点だ。原告の中には高齢者も多く、訴訟の早期解決を図るために賠償請求訴訟にしたという。

 訴えの内容は異なっても、両訴訟の原告の思いは一つ。普天間飛行場の一日も早い返還である。政府は本気になって違法性解消に取り組まなければならない。

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 政府の決まり文句は「辺野古移設が唯一の選択肢」だという恫(どう)喝にも似た一方的断言と「辺野古移設が実現しなければ普天間が固定化する」という脅し文句である。だが、その主張はすでに破たんしている。

 普天間が固定化するということは、司法が認定した違法状態を放置するということであり、政府がその言葉を口にすること自体、自覚のなさを白状するようなものだ。

 安倍晋三首相は、仲井真弘多前知事に普天間飛行場の「5年以内の運用停止」に努力することを約束した。だが、米軍は終始、「5年以内の運用停止」を否定し、政府も正式な場での要請を行っていない。

 辺野古に新基地を建設し、普天間の機能を移設したあと、普天間を返還するとすれば、完成までの工期からして、もはや「一日も早い危険性除去」を放棄した、と見なさざるを得ない。

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 この問題のそもそもの原点は「沖縄の負担軽減」であり、「地元の頭越しには進めない」というものだった。それが米軍再編によって大きく変わってしまった。

 今や辺野古移設は、米軍にとって、事故のリスクや訓練の制約を解消し、北部への拠点集約化によって「沖縄における米軍のプレゼンスの長期的な持続可能性を強化する」ための措置になった。

 選挙で「辺野古ノー」の圧倒的な民意が示されたことを受けて、一日も早い普天間返還の方策を探るべきだ。