米アリゾナ州で2000年4月に19人の死者を出した米海兵隊垂直離着陸型輸送機MV22オスプレイの墜落事故をめぐり、米下院議員と遺族らが情報の自由公開法に基づき3日、事故に関する情報の公開を求めて国防総省を提訴した。「都合の悪い事実は隠すという海兵隊の隠蔽(いんぺい)体質の文化を変えたい」と議員らは提訴に至った経緯を語った。

沖縄に配属されている米軍オスプレイ(資料写真、9月9日)

 与党共和党のウォルター・ジョーンズ下院議員は、海兵隊基地を擁するノースカロライナ州選出。操縦士の技量不足が19人の命を奪ったとの汚名をそそぎたい、遺族から真相究明の協力要請を受け、14年前から調査に乗り出した。

 ジョーンズ氏は海兵隊側との長いやりとりを振り返り、「なぜ操縦士のミスだと判断できたのか納得できる回答は得られなかった。昨年、ワーク国防副長官(当時)から、事故原因は操縦士の技量不足だけではなかったとの文書が届いたが、真相解明には程遠かった」と述べ、闘いを法廷の場に移した理由を語った。

 今回、国防総省を提訴したのは、ジョーンズ議員と操縦士2人の遺族ら計5人と1団体。事故当時の調査結果や海兵隊内部のやりとりの記録など、事故に関する情報公開を要求する中で、焦点となっているのが当時、海兵隊トップだったエイモス総司令官らのやりとりをめぐる文書だ。

 エイモス氏は00年11月に内部メールで「オスプレイの任務遂行率は26%」と記述していたにもかかわらず、9日後の記者会見では「73%」と主張していたとの報道を受け、ジョーンズ氏らは文書公開を要請したが、開示されたのは全て黒塗りの1枚だけ。

 ジョーンズ氏は「たった9日間で、どうやったら26%から73%に飛躍できるのか」と疑問を呈し、「この点だけでも資料が全て開示されれば、都合の悪い事実を隠していたのかが分かる」と期待を示した。

 国防総省は、30日以内(休日を除く)に回答する見通し。(平安名純代・米国特約記者)