名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内で見つかったわずか60センチの石が文化財の碇石(いかりいし)であれば、新基地建設に向けた作業に遅れが生じるかもしれない。名護市教育委員会は、文化財保護法に基づき、発見現場一帯の試掘調査や本調査に乗り出す構えで、規模や範囲の設定次第では長引く可能性もある。同法律上、調査をすることなしに現場一帯を埋め立てることはできないため、国が予定する「夏ごろの本体工事着手」は“皮算用”になりかねない。(北部支社・榮門琴音)

 市教委は、碇石として確定されれば、石が見つかった現場周辺で遺跡の有無や範囲などを調べる試掘調査に入る。調査の管轄は陸域が市教委、水域は県教育委員会となっており、仮に県教委が管轄する水域での試掘調査が必要と判断すれば、調査範囲はさらに広範囲に及ぶ見込みだ。

 さらに、建築行為や埋め立てなどで遺跡を保存することができない場合には記録保存のための本調査が必要。

 事業者の国が調査する場合もあるが、市の条例では市教委が実施することになっている。

 遺跡の規模や範囲によって調査にどれくらいかかるかは不透明だ。

 過去には北谷町の米軍基地返還跡地で文化財が見つかり、その調査のために返還が1年近く遅れ、跡地利用に影響を与えた事例がある。

 碇石と認定されれば「知事の埋め立て承認取り消し以前の、現行法での有効な権限行使になり得る」(市関係者)との見方も出ている。