井上一徳沖縄防衛局長は12日、嘉手納町の同局で記者会見し、名護市辺野古の新基地建設の埋め立て工事で、ボーリング調査のために設置しているブイ(浮標)やフロート(浮具)について、撤去せずに本体工事でも使用する考えを示した。安全確保のために施工区域を明示する必要があるほか、仮設の場合、沖縄県との協議の対象にはならないことを、県と確認していることを理由に挙げた。

井上一徳局長

 県は本体工事に入る前に撤去し、必要であれば翁長雄志知事から変更申請の承認を得る必要があるとの認識を示しており、意見が対立。防衛省は先月、設計概要の変更申請も必要ないと県の見解を否定していた。

 ボーリング調査は3月の再開以降、4地点で完了し、8地点を残していると説明。台風の影響などで遅れたが、履行期限の6月末までに終わるよう作業を進めると強調した。本体工事の着手時期は「準備が整うことを前提に夏にも」と従来通りの計画を示した。

 承認の取り消しと撤回や、県議会与党会派が進める県外からの埋め立て資材搬入を規制する条例案については「仮定の質問に予断を持って回答することは差し控える」と述べた。

 辺野古、豊原、久志の地元3区と補償協議を始めたことには「要望を聞き、政府をあげて検討し、目に見える形で実現できるように取り組みたい。親密に意見交換したい」と述べ、年数回の懇談会を予定していると明かした。また「私の理解では3区の方々が容認しているのは条件付き。条件が達成されなければ容認できないということだと思う」と語った。

 県内報道各社のほか、日本記者クラブ沖縄取材団の記者らの質問に答えた。