アイドルが再出発する時の第一声が「逃げよう。自分を縛りつけるものから」。一体どんな境遇だったのか。元SMAPのメンバー、草彅剛さん、稲垣吾郎さん、香取慎吾さんの3人がサイトを立ち上げ、メッセージを流している

▼解散をいったん否定した昨年、テレビ番組内の異様な謝罪は記憶に新しい。メンバー5人が硬い表情で「お騒がせした」「申し訳ない」と繰り返すばかりだった

▼所属事務所が悪い、どのメンバーが悪い、などと解説されたが根はもっと深そうだ。謝罪に追い込んだのは私たちの社会の不寛容さではなかったか

▼相次ぐ芸能人の不倫謝罪会見にも通じる。家族ならともかく、なぜ「世間」が謝罪を求めるのか。嫉妬、引きずり降ろしの欲求、ストレス発散。暗い情動を感じる

▼本当は突き抜けた人、変わった人は「ここまでやっていいんだよ」と教えてくれるありがたい存在だ。限界を押し広げ、固定観念をほぐす。芸能人には先駆者の役こそ期待したい

▼サイトのメッセージはこう続く。「ボーダーを超えよう。塗り替えていこう。自由と平和を愛し、武器は、アイデアと愛嬌(あいきょう)。バカにされたっていい。心をこめて、心を打つ。さあ、風通しよくいこう。私たちは、新しい地図」。強い言葉ばかりが飛び交う時代、しなやかに、かつ突出し続けていてほしい。(阿部岳)