【南城】ハワイ県系人の獅子舞団体「ハワイ・オキナワ・クリエーティブ・アート」の一行23人が10日、稲嶺公民館を訪ね、南城市指定無形民俗文化財「稲嶺の獅子舞」の踊りや拝所で行われる祭祀(さいし)を見学した。ルーツの地・沖縄の型だけでなく、背景にある精神文化にも触れるのが目的。来沖した踊り手らは、興味深そうに祈りの様子を写真に収めていた。

ルーツの地・沖縄の獅子舞の型を学ぶハワイ県系人の踊り手(左)ら=10日、南城市大里の稲嶺公民館

 一行は、集落の拝所、獅子舞を披露する広場まで歩いて移動し、カミンチュらと共に手を合わせた。公民館に戻って行われた質疑応答では、区民らが「獅子は集落の守り神のため、踊る際にも区民に背を向けない」などと回答。当時恐れられた火災を防ぐ願いが獅子に託されていることも伝えた。

 ハワイの同団体は即興で踊るといい、動きに型のある点が印象的だった様子。リーダーで、3世の糸村ジョーン昌一さん(42)は、踊りの前の祈願について「ハワイのフラは、踊る前に神へ祈りをささげる。何らかのものに敬意を払うことは大切」と話した。

 同団体は6日に来沖。南風原町や浦添市の獅子舞団体を訪ねて交流し、15日に離沖する。2012年に発足し、小学生を含む20人が活動する。

 稲嶺の獅子舞は400年の歴史があり、「八月十五夜遊び」では神事と舞が行われる。中村栄区長(65)は「獅子舞を通して、ハワイと交流するきっかけになれば」と今後に期待した。