衆院選がきょう公示され、22日の投開票に向け、12日間の選挙戦に突入する。

 大義なき解散による超短期決戦、野党再編で政治が不透明化する中、異例の経緯をたどった衆院選である。

 安倍晋三首相が衆院解散を表明したのが9月25日。

 森友学園、加計(かけ)学園問題を解明するため野党が臨時国会の召集を求めてから3カ月間もたなざらしにされた揚げ句、やっと実現したと思ったら、首相の所信表明演説も代表質問もない冒頭解散である。「森友、加計隠し」と言われても仕方がない。

 野党再編も目まぐるしく動いた。小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党が発足。民進党は、希望合流組と枝野幸男氏が代表の立憲民主党、無所属に分裂するなど離合集散が一気に進んだ。

 与党の「自民・公明」、野党が「希望・日本維新の会」と「立憲民主・共産・社民」の3極中心の構図である。

 希望は小池代表が衆院選への出馬を固辞しているため、首相候補を挙げていない。衆院選は政権選択選挙といわれるが、これでは政権選択にはならない。

 自民と希望は憲法9条改正論議や安全保障観が極めて近い。小池代表が首相候補を挙げていないこともあって選挙後に連携し、保守の大連立ができる可能性が消えない。

 政治状況が混沌(こんとん)とする中、明確なのは今回の選挙が5年近くに及ぶ「安倍1強政治」に対する審判であることだ。

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 中央政治の離合集散は沖縄選挙区にも少なからず影響を与えそうだ。

 1区は中央の選挙構図とほぼ同じ。3区の前職は自由から無所属に転じ立候補する。民進県連の前代表は立憲民主の九州比例から出馬する。

 沖縄選挙区は1~4区に12人が立候補する予定だ。最大の争点は、辺野古新基地建設の是非である。

 辺野古違法確認訴訟は2016年12月、最高裁で県の敗訴が確定。国は辺野古問題は決着が付いたと口にするが、単純なものではない。

 確かに最高裁判決で前知事の埋め立て承認が法的に認められることになった。しかし、政治的には沖縄の民意は「ノー」であることを各種選挙で繰り返し示している。

 辺野古新基地建設に反対する共産、社民、無所属の候補者、県連が容認を明確にした自民候補者、県と国の話し合いによる政治決着を主張する維新の候補者は堂々とした論戦を展開してもらいたい。

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 今回の衆院選は選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから、昨年の参院選に次ぐ国政選挙となる。参院選では県内の10代の投票率は42・6%で全国平均を下回った。

 世代が下がるにつれ投票率も低下傾向にある。基地問題や社会保障に対する世代間の意識の隔たりも指摘される。

 若い世代が直面する問題は切実だ。突出する子どもの貧困、全国一高い非正規雇用率、待機児童など子育て支援…。候補者にはこれら生活に密着した問題への処方箋も示してほしい。