【那覇】「やってくれそうな畳屋さん!」を名乗る那覇市小禄の高江洲周作さん(35)が、やってくれた。細長い紙製が定番の命名紙を、イグサが香る「命名畳」として生まれ変わらせたのだ。ふるさと宮古島から那覇へ出て、店を構えて約半年。飛行機から見下ろした那覇に家が数え切れないほど並んでいたのを思い出しては、畳の可能性にわくわくしているという。(平島夏実)

「命名畳」を作った高江洲周作さん=8日、那覇市小禄の「たかえす畳店」

 実家は宮古島市平良の「高江洲たたみ店」。1969年創業の老舗だ。長男の幸治さん(45)が継いでいるため「三男坊の自分は兄弟げんかしないようにと思って、宮古から出てきたんですよ」と笑う。

 翔南高校を卒業後、福岡で畳職人に弟子入りした。その後、北九州の畳店や実家で経験を積み、昨年10月、自分を試そうと那覇に出店。店内には畳製作1級技能士や県知事優秀技能士の賞状が並ぶ。

 命名畳は、ほんの遊び心で昨年11月に作った。

 当初、父の盛治さん(70)には「こんなことしてないで仕事しろー」と小言を言われたが、5月の注文は10件に増えた。あの父が「面白いことをやってる三男」と自慢を始めたらしいと聞いた。うれしかった。

 集合住宅化や核家族化で畳業界は先細りとの見方もあるが、高江洲さんは臆しない。「畳は最高の敷物」と考えるからだ。

 イグサが呼吸しているから、夏は蒸れない。冬は暖かい。フローリングやカーペットと違ってほこりが立たない。踏み心地が癖になる。光ちゃん(3)、匠ちゃん(1)を授かって、畳のクッション性は小さい子どもにも安心だと気づいた。

 「発明した人って、すごいっすよね」

 イグサが香る命名畳は、できれば掛け軸のように茶の間に飾ってほしい。洋間しかなければリビングでもいい。壁を眺めるだけでは物足りなくなって、床にも畳を敷こうと思ってもらえれば一番いい。

 「命名畳は、その子がおじいさん、おばあさんになる時まできれいに残ります」。畳そのものもまた残る、いや残してやるんだと言い聞かせている。たかえす畳店への問い合わせは、電話098(996)4151。