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  • 県の研究機関がアグー豚のゲノム(全遺伝子情報)を解析
  • うま味に関係する可能性のある遺伝子情報の存在を確認した
  • 霜降りの多い、おいしい豚の早期判定に役立てる考えだ

 沖縄県畜産研究センターは16日、琉球在来豚「アグー」のゲノム(全遺伝子情報)を解析、アグーのうま味などに影響している可能性がある遺伝子情報の存在を確認したと発表した。優良種の判定は現在、実際の子豚を肥育、屠畜(とちく)して肉質を確認するため約2年半かかっているが、今回の解析で、遺伝子情報を活用して短期間で優良種を判定できる可能性があり、センターでは今後も研究を進め品種改良の技術やブランド力向上に役立てる考えだ。

沖縄県畜産研究センターがゲノム解析した純血種のアグー(県農林水産部提供)

従来の優良アグーの選抜方法と、DNA情報を活用した優良アグーの選抜方法

沖縄県畜産研究センターがゲノム解析した純血種のアグー(県農林水産部提供) 従来の優良アグーの選抜方法と、DNA情報を活用した優良アグーの選抜方法

 県畜産研究センターは2013年7月から沖縄綜合科学研究所など3者と共同で、純血種アグー20頭のゲノムの解読に取り組んだ。

 解読したのは遺伝子(DNA)を構成する塩基約27億個で、分析の結果、個体間で遺伝子の塩基配列が異なる「SNP(一塩基多型)」が4万6千カ所発見された。

 このSNPが、筋肉内に脂肪が多い「霜降り」や、とろけるような舌触りを生み出すオレイン酸の多さなどアグーの特徴やうま味に影響を与えている可能性があるという。

 一般的に、豚の優良種を判定するには雌豚との間に生まれた子豚を肥育後、屠畜して肉質を見なければならないため、約2年半を要する。

 センターは17年度までに肉質に大きく影響するSNPを特定し、そのSNP情報を埋め込んだチップを開発する予定で、調べる個体のDNA溶液をチップに垂らすことで、SNPの有無を約1~3カ月で判定、短期間で優良種を判別できる仕組みを作る。

 ゲノム解読やチップの開発などは13年度から5年間、約2億5千万円をかけた県の「世界一おいしい豚肉作出事業」として実施している。

 センターは「効率的な優良アグーの選抜方法を確立することで、品種改良や肉質の安定化によるブランド力向上にも役立つ」として研究を一層進める。