声を張り上げて支持を訴える候補者と、表情ひとつ変えない支持者の面々が対照的だった。10日公示された衆院選挙。県内では12人が立候補を届け出て、選挙戦が始まった

▼暑さのせいか、朝早いせいか-。ある出発式に集まった支持者の顔つきは、どことなく終始沈滞した雰囲気。出発式ではあまりみかけない光景だった

▼9月末に召集された臨時国会で、審議もないまま冒頭解散された衆議院。争点や大義も見えにくいまま、バタバタと選挙戦へ突入したからだろうか。その間に野党第1党は崩れ、新党が誕生。有権者が置き去りにされた感は否めない

▼されど選挙。どんな尺度で票を投じればいいのか。作家の塩田潮さんはそのポイントに「旗・人・矢」を挙げる(本紙9日付)。旗は理念や政策、人は人材の質。矢は野党側は政権追及力、与党側は政策実現力-だという

▼なるほど、分かりやすい。ただ、簡単ではない。どの候補者や政党をそれぞれの物差しに合わせて見極めることができるか。経済、教育、福祉、安全保障政策など課題を挙げればきりがない。いま求められているのは有権者の眼力だろう

▼今回は選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初の衆院選でもある。政治の行方を決めるのは主権者。その1票を担う重みを意識する選挙だと位置づけたい。投開票日は22日。(赤嶺由紀子)