【那覇】那覇市内の待機児童数がことし、過去最多を記録した。市子ども政策課のまとめでは、4月1日時点での待機児童数は前年同期比95人増の534人。民間の調査によると、人口比率での待機児童数は全国で最も多い。市は3月31日付で「那覇市子ども・子育て支援事業計画」を定め、2018年度当初までに潜在的な待機児童数とほぼ同数の約2540人まで保育定員を増やす方針だ。しかし、市内の保育園園長は「施設の拡充だけでは、待機児童問題は解決しない」と疑問を投げ掛ける。(社会部・我喜屋あかね)

認可保育園に向かう親子。市内の潜在的な待機児童数は2500人を超す=那覇市内

 事業計画を受け、市は本年度中に国や県の補助金を用いて認可保育所を新設する。すでに10カ所から応募があり、各園の定員は60~150人。全ての園を創設すると、約900人の受け入れが可能になる。来年度以降は認可外保育園の認可化も検討する。

 また、市は19年度までに全市立幼稚園36園を認定こども園に移行する基本方針案を固めた。7月中旬にも来年4月に移行する4園を内定する。26年度までには、うち18園を社会福祉法人などが運営する公私連携型の認定こども園に移行するという。

 認定こども園への移行で、市は3年ごとに計画を見直し、財政を考慮しながら3~5歳児の3年保育の実現を目指す。それにより、0~2歳児を受け入れる小規模保育事業との連携がしやすくなるという。また、市立幼稚園にある空き教室29室を活用し、3・4歳児の保育を実施。4歳児を20室、3歳児を9室拡充した場合、780人分定員が拡充され、待機児童の解消につなげる。

 一方、市内の保育園園長は「施設の拡充だけでなく、保育士の処遇も改善してほしい」と訴える。現在、保育士には親の支援や地域との連携なども求められ、「保育業務が多様化し、仕事と賃金が見合わない」のが現状だ。人材育成まで手が回らないのが現状で、現場には諦め感すら漂っているという。

 一方で、県外で働く保育士の募集が活発化。初任給は県内の約1・3倍で、寄宿舎もあるなど待遇もいい。「人材が県外に流出している。市独自の補助金制度などをつくらなければ、集まらないのでは。施設を増やしても保育士がいなければ意味がない」と指摘する。「保育士はやりがいのある仕事で、志の高い人も多い。でも、現場は厳しい」とつぶやく。

 「待機児童解消」を公約に掲げ、城間幹子市長が当選してから半年が過ぎた。市民の意識調査報告書(3月)では20歳以上の男女644人のうち、357人が「不満」「やや不満」と回答した。本年度の施政方針の中で、待機児童解消の取り組みについて「喫緊の課題が大きくクローズアップされる時期での市長就任は、まさに私に課せられた天命だと考えている」とした城間市長。公約実現に向け、待機児童を抱える親や保育関係者の注目が集まっている。