滋賀県守山市の職員・高山尚道さん(52)はこのほど、戦前の首里城や付近の建物をイラストでよみがえらせた。「一番の目的は記憶の継承。少し立ち止まり、70年前を思うきっかけになれば」と語る。30日まで、首里城公園のビジターロビーに展示されている。

高山さんが描いた1945年ごろの首里城とその周辺

高山尚道さん

高山さんが描いた1945年ごろの首里城とその周辺 高山尚道さん

 高山さんは、昨年5月から9カ月かけて2枚の絵を描いた。1枚は復元が進む現在の首里城。もう1枚は沖縄戦前の首里城の想像図だ。写真や文献、聞き取り調査を基に完成させた。

 戦前の首里城には鉄棒があり、運動場のように使われていたという。道路を走るのは、青地に白のラインが特徴的な「首里バス」。首里城公園や沖縄バスなど関係機関の協力を得て、細部までこだわった。

 約20年前から、趣味で県内の建物をスケッチし始めた。過去の想像図もその延長にすぎなかったが、さまざまな協力を得るうち、「記憶の継承」に責任を感じるようになった。

 2012年には米軍普天間飛行場が造られる前の宜野湾地区の想像図を手掛けた。「戦争で失われたものを見つめ直すことは、平和祈念につながる」と語る。

 首里城公園調査展示係の久場まゆみ主任は「戦前の航空写真はあるが、建物の様子まで分かる鳥瞰(ちょうかん)図はない。この想像図は付近の様子が一体的に見られ、非常に面白い」と評価する。

 高山さんは「見て情報提供をしてほしい。皆さんの記憶をたどることで、この絵は完成する」と話した。情報提供は首里城公園調査展示係、電話098(886)2020。