土踏まずが形成されず、足裏が平らな「偏平足」、足指が地面につかずに浮いてしまう「浮き指」などの変形や、足の痛みで治療を受ける子どもが増えている。専門家は「サイズの合わない靴をはき続けることや、運動不足による筋力低下が原因」とし、正しい靴選びと適度な運動が必要と指摘する。(学芸部・豊田善史)

子どもの靴選びのポイント

中敷きが、1番長い指より約1センチ余裕があることがポイント

子どもの靴選びのポイント 中敷きが、1番長い指より約1センチ余裕があることがポイント

 浦添市の幸喜颯(そう)君(13)は、昨年9月から身長が伸びるにつれ、踵(かかと)からふくらはぎにかけて痛み始めた。整形外科の医師からは、よく運動する子に見られる成長痛だと診断され、マッサージなどの治療を受けた。颯君は、幼稚園のころからサッカーをしており、痛みだしてからは試合中に転ぶことも多かったという。

 痛みが続いたことから、父親の亮さん(38)は改善法を調べ、靴や中敷き(インソール)がきちんとサイズに合っていないと、体のバランスが崩れたり足の痛みが出ることを知り、那覇市で足のトラブル改善に対応するオーダーメードインソール専門店「フットコンディショニングワン」(那覇市首里平良町)を訪れた。

 颯君はこれまで、すぐに成長するからと実際の足のサイズより長く、足幅も広めの27・5センチの靴を履いていたため、足にぴったり合う靴の購入を検討し、正確なサイズを測定。1番長い指を基準に長さを測り、足が地面に着いて足幅が広がった状態と、浮かせた状態のそれぞれを計測した結果、実際は26センチの靴が適正だと分かった。

 大きめの靴を履いていたことで、中でかかとの部分が内側にねじれ、それが原因で、足の親指でしっかり踏ん張ることができていなかったことも判明した。

▽合わないと疾患にも

 同店のフットケアトレーナー翁長寿乃さん(31)は、「子どもの成長を見越して大きめな靴を選びがちだが、間違った靴選びが痛みにつながり、疾患を起こす原因の一つになっている」と指摘する。

 足は、体重を支えるために足の内側縦方向のアーチ(土踏まず)や外側縦方向のアーチ、親指と小指の付け根をつないだ部分にあたる横アーチの三つから形成されている。

 サイズの合わない靴を履き続けるとアーチが崩れ、靴内で指が地面に付かずに浮いたり、曲がったままの状態が続き、「浮き指」の発症につながりやすい。翁長さんは「成長期は骨が形成される大切な時期なので靴選びは重要」と話す。

▽中敷きでサイズ確認

 さらに「足幅が広い靴はゆとりがあり、履き心地がいいと選びがちだが、実際にサイズを測ると日本人は、細い人が多い」と翁長さん。サイズ選びは履く前に靴から中敷きを出し、その上に足を置いて確認するのがポイントだ。

 「1番長い足指より中敷きの先端部分が、約1センチ余裕があること。親指の付け根から小指の付け根までを1周測ったときの長さ(足囲)と親指と小指の付け根の部分の幅(足幅)は専門店で計測して確認するといい」とアドバイス。

 健康管理の面で、靴のサイズは見落とされがち。「だが背骨や骨盤のゆがみ、運動機能に大きな影響を及ぼす。1度は専門店で計測し、正しいサイズを確認してほしい」と呼び掛けた。

■過度の負荷、痛みの原因 肥満で偏平足に

 琉大病院整形外科の神谷武志医師は、「子どもたちの運動環境は二極化している。部活動などで体を酷使して傷めてしまう場合と、運動する機会がなく肥満になる場合だ。足の形成にも影響している」と話す。

 骨が成長する時、膝など軟骨がある周辺部への過度な負荷は骨の痛みの原因となる。また、足の関節が軟らかい時期に筋肉が十分に鍛えられていなかったり、肥満になり過ぎると、体重が支えきれずに足のアーチが崩れ、土踏まずが形成されず、偏平足になる。

 足は、歩き始めの時から運動する中で次第に発達していく。生活環境の変化で、現代人は素足の生活が減り、靴を履く時間が増えた。「特に成長期に、運動不足やサイズに合わない靴を履くことは足の形成に影響を及ぼし、疾患につながる恐れがある」と指摘した。