2017年(平成29年) 11月25日

大弦小弦

[大弦小弦]大事件と聞いたら、まず心を落ち着けて…

 大事件と聞いたら、まず心を落ち着けてトイレに行く。道中、食料と水を大量に買い込む。一刻も早く現場に着くのは報道の鉄則だが、同時に長期戦にも備えておかないと途中で脱落してしまう

▼特に米軍絡みだと、どんな理不尽な規制が待っているか分からない。名護市安部のオスプレイ墜落現場では、米兵が警察官に報道陣の排除を命じていた。交代もできず、徹夜で14時間とどまった。それがわずか10カ月前のこと。悲しいかな、米軍機事故の取材に慣れてしまった

▼北部訓練場に囲まれた東村高江周辺は、事故が頻発している。1999年、村境を越えてすぐの国頭村沖で起きたヘリ墜落を取材した。住民は当時から「ヘリパッドが増設されれば命が脅かされる」と訴えていた

▼政府は昨年、抗議行動を力で制圧してヘリパッド6カ所を完成させた。その直後に起きたヘリ炎上事故。住民の心情は「だから言ったでしょう」に尽きる

▼やりきれない。生活もある。それでも放置すれば命に関わるから、抗議の声を上げざるを得ない。高江も沖縄も、その繰り返し

▼県議会はきょう、6カ所の使用禁止を求める決議案を全会一致で可決する見通しだ。昨年の建設中止の意見書は賛成多数だった。今度は高江住民の声が県民全体の声になる。少しずつでも、前に進んでいると信じたい。(阿部岳)

ルポ 沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実
阿部 岳
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