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  • 伊是名島沖などの海底には貴重な鉱物資源を含む熱水鉱床がある
  • 鉱床開発を産業化するため、人材育成や企業誘致・研究を県が支援
  • 既存の漁業なども含め海洋産業の市場規模は10年後に1.6倍と推計

 県は海底熱水鉱床の開発などを産業化するため、2015年度から人材育成や企業誘致、研究機関の支援などをスタートさせる。8月には産学官メンバーで組織する連絡協議会を設立し、情報交換や企業・研究機関のニーズ、産業化に向けた課題の把握などを進める。国が計画する20年代後半の海洋産業の民間商業化を見据え、支援拠点づくりや環境整備を進めることで、リーディング産業の確立につなげる考えだ。(浦崎直己)

 県はこれまで資源調査などを実施してきたが、産業化に向けた具体的な取り組みは初めて。

 現在、県内では資源量340万トンとされる伊是名島沖の海底熱水鉱床や久米島沖、伊平屋島沖などの海底熱水鉱床の存在が分かっているが、産業化のめどは立っていない。

 資源開発が産業として発展するため、研究拠点や企業の支援環境などを整え、調査観測など関連産業への波及も狙う。連絡協議会は研究機関や有識者、海洋資源開発関係の企業の代表ら9人ほどで組織。人材育成、企業誘致、研究機関の支援などの分会に分かれ、最新情報を共有し、県の施策などを検討していく。

 県の海洋資源利用と支援拠点形成の可能性の調査を受託して14年度に琉球大学産学官連携推進機構と有識者委員会がまとめた報告書によると、漁業などの既存市場を含めた海洋産業の県内市場規模が15年の5365億円から25年には1・6倍の8581億円になると推計。

 漁業や海上輸送、公共事業などの既存市場が約1100億円伸びるほか、新たに海底熱水鉱床開発産業1200億円、洋上風力発電産業876億円などが加わると想定した。

 報告書では海洋産業が集積する海洋都市の実現を目指す基本構想や工程表が示され(1)国との連携・情報共有(2)研究開発(3)人材育成(4)教育の場の提供(5)インフラ整備(6)県民への周知(7)企業誘致の支援-の実施を提案。県は基本構想と工程表に沿って取り組みを進める。

 有識者委員会で委員長を務めた西田睦琉大副学長は「沖縄はポテンシャルは十分にあるが、産業化には長い時間がかかる。生かせる人がいないと産業は育たない」と強調し、早期に取り組む重要性を訴えた。

[ことば]

 熱水鉱床 海底の鉱物資源で、地殻内の高温水溶液によって形成される。熱水はマグマ活動によって発生すると考えられ、溶け込んでいる金属が沈殿するなどして鉱床をつくり、産出量が少ないレアメタル(希少金属)を含む可能性がある。