鎮魂の思いを込めた古(いにしえ)の歌が夏の風に乗り、人々の胸に届いた。

「平和の詩」を朗読する知念捷君=23日午後0時37分

 「戦世(いくさゆ)や済(し)まち みるく世(ゆ)ややがて 嘆(なじ)くなよ臣下 命(ぬち)ど宝」

 追悼式で、自作の平和の詩「みるく世がやゆら」を朗読した与勝高校3年の知念捷君(17)。第1連の琉歌は、「つらね」と呼ばれる独特の節をつけて歌い上げた。凜(りん)とした響きに会場は一気に引き込まれ、呼応するように指笛や拍手も起きた。

 「琉歌には沖縄の人の悲しみも喜びも、価値観もアイデンティティーもすべて含まれる。心に伝わるものがあったならうれしい」。琉球舞踊などの素養があり「緊張することなく思いを表現できた」と、涼やかな笑顔で話す。

 詩では「みるく世がやゆら(今の世は平和でしょうか)」との問い掛けが、静かに繰り返される。参列者はうなずいたり目を閉じたりしながら、思いを巡らせている様子だった。

 詩作に駆り立てたのは、戦争で夫を失った祖父の姉の姿。会場には、同じような年代のお年寄りも多数詰め掛けた。「戦争が終わってから70年たっても、悲しみを背負っている人がこんなにいると感じた。少しでも寄り添いたい」と誓う。