沖縄民謡を聴く機会が中部勤務で増えた。エイサーなどの伝統行事や「国際ひやみかち節コンクール」、打楽器・三板のコンテストなど異色の催しもあり、頻繁に耳にする

▼高齢者施設では、車いすに乗り体の動きがぎこちなかった女性が、三線の音に合わせ、ふいに手を上げてなめらかな手踊りをする。街中のイベントでは通りすがりの人がカチャーシーに加わることもある。心と体に刻み込まれた響きなのだと感じる

▼沖縄市は「音楽のまち」。オキナワンロックばかりでなく、民謡の戦後の出発点でもある。一番街の中にある沖縄市音楽資料館「おんがく村」には、民謡の音源も数多くあり、聴くことができる

▼先日そこで、「軍人節」「屋嘉節」「戦後の嘆き」「時代の流れ」など戦争や戦後を描いた民謡レコードを聴いた

▼選曲と説明をした島唄解説人の小浜司さんによると戦後の一時期、「沖縄ではレゲエ全盛のジャマイカよりも多くの民謡のレコードが作られたと言われている」。大変なパワーだったのだろう

▼おんがく村の備瀬善勝館長は「島の歌がなくなると、島の言葉がなくなる」と語る。筆者のしまくとぅば力では、歌詞を聞き取るのは難しい。「まずメロディーやリズムを楽しんで」と言う備瀬さんの言葉を頼りに、島唄の響きを感じることから始めたい。(安里真己)