てっきり亜熱帯地方は、沖縄のような暖かい湿潤気候かと思っていたら、そうではないらしい。世界的には、砂漠のような乾燥地帯が多いというから驚かされる

▼陸地に常緑樹林が広がり、川をつたって、海のサンゴ礁まで連なる沖縄の生態系は、地球規模で見ても貴重な存在。まさに、世界自然遺産にふさわしい

▼現地調査を行っている国際自然保護連合(IUCN)の専門家は登録に前向きな姿勢を見せているらしく、素直にうれしい。しかし、物事がうまくいきそうな時ほど、厳しい目線で考えたい

▼登録はあくまで手段で、目的はどう自然を守っていくか。よもや、知名度を上げるためだけの“看板”欲しさではあるまい。環境保全が不適切と判断されれば、「危機遺産」への降格や登録抹消もあり得る。世界遺産1073件(日本は21件)のうち危機遺産は54件、過去に抹消も2件ある

▼本来の目的にかなうには、遺産候補地と地続きの米軍北部訓練場は無関係ではいられない。かつて外来種のマングース駆除で、日米が連携して取り組んだ経験もある。共に手を結ぶことは不可能ではない

▼逆説的に言えば、米軍も訓練場としての「ジャングル」を維持したいはずで、環境保全の一点で両国の共通項を見いだせる。それが、基地の使用協定の先進事例になれば、なお望ましい。(西江昭吾)