まず膝関節を構成するものを紹介します。骨は、太ももの骨(大腿骨(だいたいこつ))、すねの骨(脛骨(けいこつ))、外くるぶしの骨(腓骨(ひこつ))、皿の骨(膝蓋骨(しつがいこつ))の四つです。骨の接する部分は軟骨に覆われています。

 また重要な靭(じん)帯も四つあり、側副靭帯が内側と外側に一つずつと、前十字靭帯、後十字靭帯があります。クッションの役割をする半月板もあります。主な筋としては大腿四頭(しとう)筋(きん)、ハムストリング、前脛骨筋、腓腹(ひふく)筋などがありそれらが相互に働くことで、私たちは運動したり、座ったりすることが可能となります。それらの機能が失われた箇所によりいろいろな手術の方法があります。このうち人工関節置換術という治療について説明します。

 身近に人工膝関節の手術を受けられた方いらっしゃいませんか。膝の軟骨が年齢とともにすり減っていく変形性膝関節症や炎症性に軟骨が減る関節リウマチが一般的に手術適応となります。

 膝の痛みで病院を受診すれば、診察の後にエックス線検査を経て診断がつけられます。膝の変形が末期で、痛みも強ければ早期の手術になることもありますが、一般的に薬による治療や関節内注射、および筋力をつける運動療法などの保存治療が開始されます。

 数カ月経過をみて、症状が改善しないなら手術が勧められます。年齢が若く、活動性が高ければ人工関節手術ではなく骨切り術が勧められますが、ここでは人工関節手術に絞ってみたいと思います。

 広く行われているのが人工膝関節全置換術(TKAといいます)といって、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の関節を構成する部分の骨を切って人工関節に置き換える手術です。

 膝の変形が強い症例や関節リウマチではTKAが選択されます。また年齢が60歳以上で活動性があまり高くなく(重労働でない)、膝の曲げ伸ばしがよくできて、靭帯も問題ない等の条件を満たすなら人工膝関節単顆置換術(UKAといいます)という手術があり、その適応となります。内側ないし外側だけの膝の半分を人工関節に置き換えるため、TKAと比べて低侵襲(小さい傷)で、術後の回復が速やかで合併症も少ないといわれています。また良好な可動域が獲得できる利点もあります。

 ただし長期にわたる人工関節手術の成績を安定させるには手術適応が重要であります。症例により手術方法も変わってきますので、膝の具合が悪い方、一度専門医へ相談することをお勧めします。(比嘉清志郎 同仁病院)