会うと元気になる知人がいる。40代で、働きながら大学院に通う。多忙だが「大変」という言葉を聞いたことがない。自分の目標へまっすぐ進み、いつも楽しそうだ

▼テレビで目にした滝野文恵さんもそんなポジティブパワーにあふれる人だった。平均年齢71歳の日本初シニアチアダンスチーム「ジャパンポンポン」を率いる85歳。「年だからって、できないことはない」とチームを結成したのは還暦を過ぎてから

▼主婦だったが、父親の死が転機になった。「自分の人生は無だった」と言いながら亡くなった。「愚痴って幕を閉じる人生はいや。楽しい人生だった。『ありがとう』と言って死にたい」。破綻していた結婚生活にピリオドを打ち、米国留学で老年学を学んだ

▼著書「85歳のチアリーダー」には楽しく生きるヒントが詰まっている。一貫するのが既成の枠に縛られない自由さと行動力

▼「ヘンな健康食品なんて大嫌い」と好きなものを食べる。衣装のミニスカートに眉をひそめる人もいるが気にしない。85歳にしてつけまつげにも初挑戦した

▼「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」は書家で詩人の相田みつをの有名な言葉。自分は自分。年齢や世間体に縛られた固定観念を手放す。滝野さんのように、自分が楽しいと思える人生を手に入れるこつかもしれない。(高崎園子)