台風接近に伴い、県内6離島できょう21日、衆院選の繰り上げ投票が実施される。

 降ってわいたような解散に、悪天候が重なり、困惑している住民も多いのではないか。対象地域の有権者には、今後の台風情報に注意しながら、投票所に足を運んでもらいたい。

 22日投開票の衆院選では、全国の離島で1~3日の繰り上げ投票が相次いでいる。悪天候で船が欠航になり投票箱の運搬に支障が出ることや、投票者の安全を考えての措置である。

 県内では座間味村の座間味島、阿嘉島、慶留間島のほか、南大東村、北大東村、南城市の久高島で繰り上げが決まった。対象となる有権者は約2400人。従来から繰り上げが実施されている竹富町を加えると5800人余りとなる。

 超大型で強い台風21号は、北上を続けている。大東島地方はきょう午後から暴風となる見込みで、繰り上げ投票実施とはいえ、台風の影響が懸念される。安全確保にはくれぐれも注意を払ってほしい。

 投票日の変更は急な決定だった。気がかりなのは1人暮らしのお年寄りなどへの情報伝達だ。島民は台風対策も同時に進めなければならず、気が気ではないだろう。

 県や市町村の選挙管理委員会は、一人一人の選挙権が侵害されることがないよう、周知を徹底すべきだ。

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 2014年12月の前回衆院選の県内投票率は52・36%で、1970年の国政参加以降、最低となった。全国の52・66%も下回った。

 今回、一部離島の繰り上げ投票が決まったが、投開票日の22日は、本島地方でも激しい雨や風が予想されている。

 特にお年寄りは、靴が滑りやすい雨の日やバランスを崩しやすい強風の日の外出を控える傾向がある。天候が投票率に与える影響が危惧される。

 2016年の公職選挙法改正で期日前投票の要件に「天災又は悪天候」が追加された。そのため県選管では、天候の影響を軽減できる期日前の活用を呼び掛けている。

 天災などで投票を行うことが難しいと判断されれば、繰り延べも可能である。仮に暴風域に入った場合は、検討が必要になるだろうが、災害に備えるという観点に立てば、期日前投票など早めに行動した方がいい。

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 選挙権が18歳まで広がってから初の衆院選である。荒天による投票率低下とともに、選挙に関心が薄いといわれる若者の棄権も心配だ。

 総務省の調査によると、昨年の参院選で県内の10代の投票率は42・58%と、全体の投票率を10ポイント以上も下回った。

 唐突な解散や政党の離合集散が若者の政治不信をさらに強めているのではないか。しかし今回の選挙は教育の無償化、その財源をどうするかなど若者世代に関わる政策も争点となっている。

 富の分配と負担の分配をしっかり見極め、1票を投じてほしい。