作家の百田尚樹氏と自民党国会議員に対する批判がやまない。無理解に基づく沖縄への暴言と、報道機関に向けた圧力の提案を平然と口にする姿に識者は何を見るのか。元経済産業省官僚の古賀茂明さんに聞いた。古賀さんは民主主義の危機を訴えた。古賀さんの談話は次の通り。

元経済産業省官僚の古賀茂明氏

 許しがたい百田氏の暴言だ。一方で、百田氏にも言論の自由はある。もちろん、百田氏の発言を批判するのも自由。その結果、百田氏は社会的信用を失うだろうが、それは言論弾圧ではなく、言論の自由に伴う責任ということになる。

 一方、「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働きかけてほしい」、「地元紙の牙城でゆがんだ(沖縄の)世論をどう正すか」などという自民党議員の発言は全くの別問題。憲法99条の「憲法順守義務」を負う国会議員の発言で、しかも、与党議員。権力側に立つ者が言論弾圧しようという話だ。

 与党議員の解説によれば、会議でこうした発言に異論がなかったのは、そういう言動を安倍晋三首相が喜ぶと自民党議員が思い込んでいるからだという。

 つまり、問題の本質は、安倍首相の「言論の自由」に関する考え方、さらには「憲法観」そのものにある。

 一国の首相が憲法を根底から無視し、与党議員がそれに従う。まさに、民主主義の危機そのものである。