資源エネルギー庁は、海底熱水鉱床の開発を目指し、2017年度に伊是名沖の海底熱水鉱床「伊是名海穴(かいけつ)」で鉱物の採掘試験を実施する。海穴がある水深1600メートルの海底で採鉱や鉱物回収、採鉱機の連続運転を試験。18年度に商業化の可能性など経済性を判断する。

沖縄近海で確認されている主な海底熱水鉱床と伊是名海穴

 1600メートル級の深海での大規模な鉱物採掘は世界初の取り組み。日本は鉱物資源が乏しく、多くを輸入に頼っており、海底熱水鉱床の開発が注目されている。

 政府は13年に策定した海洋基本計画で、海底熱水鉱床の開発について「20年代後半以降に民間商業化を目指したプロジェクトの開始」に向け、資源量の把握や開発技術の確立に取り組んでいる。

 独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)」は12年、伊是名海穴の海底熱水鉱床で採掘試験機による走行と掘削に成功。17年度の採掘では毎日100トン前後の鉱物採掘を2~4週間かけて実施する計画で、採鉱機の連続稼働や、鉱物回収の技術などを確認する。費用は150~200億円になる見込み。

 資源エネルギー庁の担当職員は「採掘試験で技術的な課題などが出てくると思う。結果を踏まえて、今後の開発について検討する」と語った。

 伊是名海穴は沖縄本島北西約110キロ、水深1600メートルに位置。亜鉛や鉛、銅、銀、金が含まれていることが確認されており、資源量は340万トンと想定されている。同海穴の海底が比較的平らなことなどが理由で、試掘などが実施されている。

 沖縄近海では伊平屋沖や久米島沖でも海底熱水鉱床が確認されており、伊豆・小笠原海域を含めた国内の資源量は5千万トンを上回ると推定されている。